🆕作家インタビュー:アサムラコウ——サウナは自分の人生です。ネオページ編集部

すでに作家としてスタートを切っている方々に、作家生活についてのさまざまなお話を聞く「ネオページ・インタビュー」。
今回は、執筆歴十年以上、最近はサウナを激推ししているアサムラコウさんにお話を伺いました。



――最初に自己紹介をお願いします。

初めまして。アサムラコウと申します。 現在ネオページで『VRMMOで怪盗になってRMT業者から世界を奪い返します』という作品を書いています。 マンガやアニメが大好きで、もともとマンガ家になりたくて絵を練習したのですが、全くうまくならなくて、文章のほうが百倍書けるぞ、ということで、小説を書くようになりました。

今までで影響を受けてきた作家は村上春樹先生、京極夏彦先生です。


――執筆歴はどのくらいですか?

書き始めたのは義務教育の時くらいからですね。 そこからもうはや十数年は書き続けています。


――作家以外にお仕事などはなさっていますか?

専業作家です。


――現在執筆されている作品について教えてください。

 çžĺœ¨ăŻă€ĺ…ˆăŽčłŞĺ•ă§ĺ°‘ă—č§Śă‚ŒăŸă€ŽVRMMOで怪盗になってRMT業者から世界を奪い返します』という作品を書いています。 この作品は「グリッチ(裏技)」を使って活躍する話ですので、ぜひ主人公がグリッチをどう使うかを楽しんでほしいです。

ジャンルとしては、ラブコメ! アクション!  VRMMO!  ……あとサウナでしょうか。


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はい。趣味がサウナですから、作品にも無理やり盛り込んでいます。 明らかに必要のない要素なのですが(笑)。 作品に登場するVRアバターもサウナハットを被っていますし、 VR空間にもサウナを作りました。そのくらいサウナが好きで。 サウナは自分の人生です。


――それほどまで!

はい(笑)。 もともと2020年頃にコロナウィルスが流行し始めて、みんな外出を控えるようになったと思います。その時に近所の銭湯に行くことぐらいしか楽しみがなくて。通っていたらいつの間にかハマってしまいました。 よく何がそんなにいいの? と聞かれるのですが、 サウナにいると頭の中を空っぽにできるんです。 家にいると執筆のことだけ考えようとしても、それ以外の余計なことも絶対に考え始めてしまうんですよ。でも、サウナだと暑すぎてそんなことは考えられないんです。 「あー……税金について……いや、あ゛っつい゛!」という感じで(笑)。 そこから水風呂に入って外で涼んでと繰り返していると、 暑さもですが、それ以外もリセットされます。 よく「整う」と言いますよね。サウナは趣味ですし、今では作品執筆に不可欠な要素です。


――なるほど。ちなみに執筆される際にサウナでリセットしたくなるほど大変なことや困ることはありますか?

長く書き続けているのにお恥ずかしいことなのですが、書き始める前にテンションを高めることがなかなか上手くいかないのが困りますね。 専業作家は書くことが仕事なので、本来はやる気などと関係なく書くべきなのですが……。 でもそんな時も、サウナがあります。サウナに行ってしっかり寝れば、割と書けるテンションまでいけるので、サウナは偉大です。(笑)


――長く執筆を続けられるのは本当に大変ですね。ネオページでは契約作家さんに担当編集がつきますが、執筆される際にメリットはありますか?

まず、確実に読んでくれる読者が一人いるとわかるのが、 とても大きかったりします。

絶対リアクションがもらえる方が一人いるとわかっているだけで、 作品を書くモチベーションが上がります。 もちろん、時にプロットを全部振り返ってくださったりしながらも、しっかり作品を読みこんでアドバイスを頂けるのもありがたいです。


――担当編集からの作品の評価はいかがでしょうか?

担当さんには「テンポがいい」「ラブコメ展開がアツい」と評価をいただいています。それらの点は執筆の際に自分でも意識していることですので、うれしいですね。 執筆の際もなるべく展開は早く、隙あらばラブコメ!ということを心がけています。


――ちなみに、アサムラ先生がネオページを利用され始めたきっかけはなんですか?

もともとアウトソーシングでお仕事を紹介していただくサイトで、個人の方から執筆の依頼を請け負っていて、そこに執筆相談が来たのがはじまりです。 その時は、契約して連載するなどという話はまったくなくて、「どのようなものを書いたらいいですか?」と尋ねたところ、「何でもいいので自由に書いてください」とお話しを頂きました。普通は何らかの細かい指定があるものなのですが(笑)。 その後、できあがった原稿をお渡ししたり、指摘を頂いて直したりしていましたら、最終的に「合格です!」と言われました。


――依頼だと思っていたら、実はテストだった!?

そうかもしれません(笑)。 その後、Web小説作品として掲載しましょうというお話になりまして、既存のどこかのサイトに載せるのかな? と思っていたら「え?新しいサイト?」「え?契約連載?」「えーっ⁉」という感じでとんとん拍子に話が進んでいきました。 最初はご依頼いただいた方が編集さんだということも知らなかったんです。 契約の段階になってようやく、なんだか大変なことになっているな?と思いましたが……。


――そこで、契約するのを躊躇されて……?

いえ、実は契約を躊躇うことは全くなかったです。 ずっと個人からの依頼だと思っていましたので、びっくりはしましたが。 契約書の内容を拝見しても、自分が損する内容ではないと思いましたし。

もっとも、その時に声をかけてくださった方が今の編集さんでなかったら、 こういう考えにはならなかったかもしれません。 今までWeb小説を書いた経験がほとんどなかったのですが、 すごく丁寧に、細かいところまでいろいろと教えてくださって。


――一瞬、契約するか悩んだと伺いましたが?

はい。 ただそれは、契約内容についてではなくて。 契約作家になりますと、執筆した際にお金がもらえるのですが、本当にこの金額をもらっていいのかな?  適切なのかなと悩んだところはありました。


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こんなことありえないでしょう! と。 連載にあたって、細かい注文もなく自分の好きなものを書いてお金がもらえるって、本当に大丈夫なの?みたいな(笑)。

普通に考えたら詐欺みたいですよね。 ……もちろん今はそんなことは思っていないですよ!(笑)。原稿料をもらえてすごく助かっています。

原稿料というと安そうなイメージがあって、割に合わないと考える人もいると思いますが、ネオページの原稿料は、時給換算してもかなりいいのではないかなと。 執筆で食べていけるのはすごいことで、連載を始めて収入がアップしましたから。

最初は悩んだりもしましたが、他のお仕事と比べても満足する額を頂いていますね。


――原稿料は何に使われているのですか?

主に通販や買い物などです。 その2つはとても増えました。遠方の友人を訪ねたときに焼肉とかも食べましたね。 他の人がどう使われているか気になりますので、他の方のインタビューでも聞いてみてください。面白い話が聞けるかもしれません(笑)。


――契約作家になられたことで、よい変化や影響はありましたか?

ここ数年は文筆業で生計を立てていたのですが、 自身で書いた作品をたくさんの方に見ていただくような機会はありませんでした。 契約作家になったことで、自分の作品を発表できる、オリジナル作品が書ける、読者の方に選んでもらえる、読んでもらえるようになったのは、とてもうれしい変化だと思います。

商業作品についてのノウハウを、編集さんに教えてもらえるのもありがたいです。


――編集からのノウハウでスキルアップした!と感じられる点はありますか?

人に見て頂くための文章の書き方がすごく身についたと思います。 今まではセリフを長めに書いていたのですが、編集さんからアドバイスをもらって、短く修正したりしました。 いわゆる“書き方の知識”が増えたと感じます。 また、自分の中に気づいていなくて開けられていなかった引き出しがあって、 それを開けることができたとも思います。


――連載を経て、今後の目標などはありますか? 今の夢や目標を教えてください。

書籍化やメディアミックスについて考えないわけではありませんが、 それより死ぬまでに自分の中で抱え込んでいるアイデアを全部出し切りたいです。 「あーこんないいアイデアあったのになー」と後から思わなくていいように。

作品を評価されたい気持ちはもちろんありますが、 今はそれよりアイデアを全部吐き出したい!という気持ちのほうが強いです。


――アサムラ先生から見たネオページの印象はいかがでしょうか?

良くも悪くも作家にとっての楽園みたいだな、と思っています。 いつまで続くんだろうという不安もありますが……(笑)。 いいところなんですよ!  サポートも手厚いですし、好きなものを書くことができて、やる気も出ますし。

ただ、現状だと、コミュニティがやや内向的だなと感じます。 だから、もっと外向きに広がって、あとは長く続いていくといいなと思いますね。 


――編集部のインタビュワーとして、いいところについてもう少し掘り下げてお伺いしてもいいでしょうか。

はい(笑)。担当編集さんだけでなく、編集部の方にはメールやDiscordで交流していただいて、雑談の流れで出た話を拾っていただくこともあるので、いい意味で距離が近いと感じています。 過去に私が主催したVR配信イベントにおいて、作家視点からネオページさんを紹介したいと相談した際もむしろ前のめりに「協力します!」と言っていただいて(笑)。

配信する内容についても事前にいろいろ相談させていただきましたが、最終的に全部OKしてくださって、懐が深いなあと思いました。普段から編集と作家間で上下関係もなく、パートナーとして一緒に歩いてくださっている感覚がしています。それは他社さんにはないものだと思っています。


――逆に、ネオページに努力してほしいことも掘り下げてお尋ねできますか。

そうですね。今のネオページは作家として使うにはすごくいい環境になっていると思います。 ただ、一点読み専ユーザーにとっても作家にとっても活用しやすくなるとありがたいなと思うところがあります。 それはレビュー、コメント機能についてで、これがやや作家側としてわかりにくく、私自身の作品の評価が正確に把握しにくいと思うことがあります。 読者さんにとっても作品を評価するための機能面がもうすこし改善されてくれると、作家に声や評価が届きやすく、作品の質向上にもつながると思います。


――現在、他社のサイトは使われていますか?

いえ、まったく使っていないです。 何年か前にちょっと触っていましたが、もうアカウントを消してしまいました。

比較してどうかという意味でしたら、サイトとしての使いやすさはやはり「小説家になろう」さんが優れていると思います。 導線やデザインについても、まだ他社サイトが勝っているところがあると思います。 先に話した作品評価のものも合わせて、今後に期待していますね。


――早速開発チームに伝えます。

早い。本当ですか? ぜひお願いします(笑) 


――アサムラ先生は、ネオページの作家さんと交流などはされていますか?

はい。ネオページ公式Discordでは、創作に役立つ情報交換もしますし、 限界飯スレみたいなものもありますし、話題が広くていいと思います。

作品について真剣に相談したかと思えば、チェーン店の新商品を食べた話をしたり。作品についても日常についても、どちらも話せるのはいいですね。話題が偏るとよくないと思うんです。 いずれにしても、同じように創作している人同士が仲間として気軽に話ができるのはいいですね。


――なるほど。ネオページに掲載されている作家さんの作品でお勧めはありますか?

依依恋恋さんの『トバリの三月』が好きです。 こちらは将棋のお話なのですが、もともと私は将棋マンガの『ハチワンダイバー』(柴田ヨクサル/著・集英社)や『月下の棋士』(能条純一/著・小学館)が好きで。 ただ、小説で将棋の作品を読んだことがほとんどなかったんです。

『トバリの三月』は小説でもきちんと将棋をしていることわかりますし、将棋のルールがわからない方が読んでも楽しめるようにうまく「ざまぁ」展開をしていますし。主人公の頭がいいので、読んでいてまったくストレスが溜まらないです。

かくはるさんの『ローリー・グローリー・ストーリー』、 柿の種さんの『Arban collect Online 〜蒐集家は躊躇わない〜』も好きです。


――ありがとうございます。ぜひ拝読させて頂きます。 最後にご自身のファンに向けて一言お願いできますでしょうか。

はい。 いつも私の作品を読んでいただいてありがとうございます。 前までは注文されたものを書くだけだったのですが、今は好きなものを詰め込んで、不特定多数の読者の方のことを考えて作品を作っています。 まるで忘れていた気持ちを取り戻したような気分です。 今書いている作品はもうすぐ完結しますので、ぜひ最後までお読み頂けたら幸いです。

そして、次回作をどうしようか考えています。 「趣味全開」のものにするか「読者人気獲得を重視」にするか。 考えている2本で迷っています。


――2本ともお願いします!

正直に言えば、どちらも書きたいです(笑)。「読者人気獲得を重視」で作品を作ることは、今まで研究したこともやってみたこともないので、チャレンジになりそうです。


――ぜひ担当編集と一緒に挑戦してみてください。新作もお待ちしています!

本日はありがとうございました。


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