小説執筆の始まりはプロット作成!物語の骨組みをしっかり組み立てることで、スムーズに執筆が進みます。この記事では、初心者でも実践できるプロットの作り方やストーリー構築のコツを分かりやすく解説します。
プロットとは、簡単に言えば物語の設計図のようなものです。建物を建てるときに設計図が必要なように、小説を書く際にもプロットがあることで、ストーリーの流れやキャラクターの動きが整理され、スムーズに執筆を進めることが可能となります。
プロットの作成にあたっても、各場面の展開やセリフまで細かく記述する方と、主要なストーリーラインだけを決めておき、執筆しながら細部を考える方もおりますが、初心者の方である場合は可能な限り細かくプロットを作成して、物語の流れを把握しやすくしておきましょう。
プロットがないと起こる問題とは?
プロットを作らずに小説を書き始めると、以下のような問題が発生しやすくなります。
1. 話の流れが破綻する
プロットがないと、物語の展開が一貫性を欠いたものになりがちです。序盤では面白いアイデアが次々に浮かんでも、中盤以降で整合性が取れなくなることがあります。結果として、物語が収拾のつかないものになったり、強引な展開で終わらせざるを得なくなったりすることも起こってしまいます。
2. 執筆途中で迷子になる
プロット無しで書き進めると、「このシーンの次に何を書けばいいのか分からない」という事態に陥りやすくなります。特に長編小説では方向性を見失いやすくなり、その結果、途中で筆が止まり、執筆が進まなくなってしまうこともあります。
3. キャラクターの行動や成長が一貫しない
キャラクターには、それぞれの目的や動機があります。しかし、プロットを作らずに書き出してしまうことで、序盤では冷酷な性格だった同上人物が終盤では得に理由もなく優しくなってしまうなど、キャラクターの行動が場当たり的になり、矛盾が生じることがあります。
4. 伏線を回収できない
物語に伏線を張ることは、読者の興味を引きつける重要な要素ですが、プロットがないと伏線を回収できなくなることがあります。執筆中に「あの場面の伏線を回収するのを忘れた」と気づいても、後から修正できず伏線を回収できず終わってしまうことも起こりえます。
上記で解説してきたように、プロットは物語を効率的に作る上でも、物語の内容を濃くする上でも重要となります。小説を書いたことがない初心者の方ほど、細かくプロットを作成してみてから執筆していきましょう。次のパートではプロットの作り方について紹介していきます。
- 小説のプロット作りの基本3ステップ
ステップ1:テーマとジャンルを決める
小説のプロットを作る上で最初に考えるべきなのが「テーマ」と「ジャンル」です。これは物語の軸となる部分であり、読者の興味を引く大きな要素となります。
何を書きたいのか?
まずは、自分が書きたいテーマやメッセージを明確にしてみましょう。例えば、「愛と喪失」や「成長と挑戦」など、物語の根底に流れるテーマを決めることで、プロット作りがスムーズになっていきます。
読者ターゲットを考える
誰に向けた物語なのか意識をすることで、ジャンル選びがしやすくなります。若年層向けならライトノベルやファンタジー、大人向けならミステリーやヒューマンドラマなど、ターゲットに合ったジャンルを選んでみましょう。
ステップ2:起承転結・三幕構成の基本を押さえる
プロット作りでは、構成をしっかりと考えることが重要です。
起承転結や三幕構成の基本を理解し、物語の展開をスムーズに進めることが可能となります。
起承転結の構造とは?
日本の物語構成でよく使われるのが「起承転結」です。
起:物語の導入(キャラクターや状況の紹介)
承:物語が展開し、問題が発生
転:クライマックスに向かう大きな変化
結:物語の結末
ハリウッド映画でも使われる三幕構成
西洋の物語構成では「三幕構成」が主流です。
第一幕:主人公の紹介と物語の発端
第二幕:葛藤や障害が発生し、主人公が成長
第三幕:クライマックスと結末 この構成を取り入れることで、読者を引き込む物語を作りやすくなります。
ステップ3:キャラクターとストーリーラインを設計する
魅力的な物語には、魅力的なキャラクターが不可欠です。
キャラクターとストーリーラインをしっかりと設計することで、読者が感情移入しやすくなります。
主人公と対立する存在(敵・ライバル)
主人公には明確な目標が必要ですが、それを阻む存在(敵・ライバル)がいることで、物語はより面白くなります。
目的と障害を設定する
主人公が達成しようとする目的と、それを妨げる障害を設定することで、ストーリーに緊張感が生まれます。
例)
目的:「王国を救う」 → 障害:「強大な敵の存在」
目的:「恋愛を成就させる」 → 障害:「身分の違い」
プロット作成のイメージは沸いてきたでしょうか。
次のパートではプロット作成に役立つ方法やツールについて紹介していきます。
- プロットを作るための具体的な手法
テンプレートを活用する
プロット作りの際にテンプレートを利用することで、物語の骨組みを効率的に作ることができます。例えば、以下のようなフォーマットを使うことで、執筆の手がかりを得られます。
主人公の設定(名前・性格・背景)
物語の始まり(主人公が直面する最初の問題)
物語の展開(障害・葛藤・成長)
クライマックス(最大の試練と解決策)
結末(主人公がどのように変化したか)
このように基本の流れを押さえておくことで、書き進めやすくなりますので是非活用してみてください。
「もしも○○だったら?」でアイデアを広げる
プロット作りで重要なのは、発想の幅を広げることです。「もしも○○だったら?」という問いかけを繰り返し行うことでアイデアいの幅を広げていくことが可能になります。
例えば
もしも、人間が一生眠らなくても生きられる世界だったら?
もしも、未来の記憶がすべて消される法律があったら?
もしも、主人公が過去に戻って自分自身と対話できたら?
このように異なる視点を持つことで、独創的なストーリーを生み出すことが可能となります。
プロット作成ツール・アプリの活用
現在では多くのプロット作成ツールやアプリが存在し、効率的にプロットを構築することが可能です。以下のツールは、アイデアの整理や物語の構成をスムーズにさせるのに役立ちますので、一度使ってみては如何でしょうか。
Scrivener(構成管理がしやすいライティングツール)
Plottr(視覚的にプロットを作成できるツール)
Notion(プロットメモやキャラクター設定を一括管理)
これらを活用して是非プロットを書いてみてください。
最後のパートでは、魅力的なストーリーを生み出すための工夫の仕方を解説していきます。
- 魅力的なストーリーを生み出すための工夫
伏線と回収を意識する
物語を魅力的にするためには、伏線を張り、それを適切なタイミングで回収することが重要です。伏線とは、後の展開に影響を与える要素を前もって仕込むことであり、読者に「なるほど!」と思わせる要素になります。伏線を効果的に使うことで、物語に奥行きを持たせ、読者を引きつけることが可能となります。
物語が単調にならないようにするためには、以下の工夫を取り入れてみると良いでしょう。
1.適度な緊張感を持たせる:ストーリーの中で葛藤や対立を生み出し、読者に先の展開を気にさせる。
2.テンポの変化を意識する:緊迫感のある場面と落ち着いた場面を交互に配置し、メリハリをつける。
3.読者の予想を裏切る展開を作る:ただし、唐突すぎる展開は避け、伏線と整合性を持たせる。
ストーリーに深みを持たせる「サブプロット」の使い方
サブプロットとは、メインのストーリーと並行して展開される副次的な物語です。これを上手く活用することで、ストーリーに厚みを持たせることができます。
例えば、主人公の成長を描くメインストーリーとは別に、仲間の葛藤や恋愛要素をサブプロットとして組み込むことで、より感情移入しやすい物語になります。
サブプロットを効果的に活用して、読者の興味を引き続けられるようにしてみましょう。
是非これらを活用してプロットを書き出してみてください!
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