すでに作家としてスタートを切っている方々に、作家生活についてのさまざまなお話を聞く「ネオページ・インタビュー」。
今回は、コミッションサイトでの活動を経てネオページで執筆をしてくださっている詩乃宮さんにお話を伺いました。
――自己紹介をお願いします
詩乃宮といいます。主な活動拠点はネオページとSKIMAさんです。いろんなジャンルを書きますが、ネオページでは『底辺VTuberの俺と美少女売れっ子VTuberのてえてえはありますか?』(略して『底てえてえ』)というラブコメを執筆しております! 元々ノベルゲームをたくさんプレしていて、奈須きのこ先生と竜騎士07先生の影響を強く受けてます。
――ネオページを使い始めたきっかけはなんですか?
SKIMAさんで活動してたら、今の担当編集さんに声かけていただいたんですよ。それで初期から投稿させてもらってます。正直すっごい驚きましたよ!
――詐欺かな、とか思いました?
そこまでじゃないですけど(笑)。でも声かけるの私で間違ってないかな……!? って思いましたね。でもこんな機会は滅多にない、乗るしかない! って。表現に悩むんですけど……うーん、出版社からのお声がけと大差がないのでは? って思っちゃって……。
――恐縮です! ありがとうございます!
いえいえ! 職業作家を名乗れるのでは、とすごく興奮したのを覚えてます。
――実際に契約していただいてますが詩乃宮さんから見たサポート・プログラムの魅力はなんでしょうか?
やっぱり担当編集さんがついてくれることですね! ウェブ小説って他の人に感想とか意見をもらうのが難しいじゃないですか。意見をもらって、それを踏まえて、より良い形でサイトにアップロードして読者に届けられるっていうのがすごいことだと思います。
小説は構成、執筆、アップロードって基本的に全部ひとりでやるものじゃないですか。だから担当さんがいてくれるってすごく心の支えになります。あと原稿料も魅力的ですよ。(笑)
――ではまず担当編集との関係に感じていることを教えてください
関係というか、サポートには8割満足って感じです!
――まだ2割の伸びしろがあるんですね……
担当さん以外の編集部員の数も、契約作家さんの数もわからないので、メールの返事が来ないときとかちょっと不安です。もう少しはやくなってほしいな、と。密に連絡がとれたらいいなって思ってます。
――8割の良いところの部分はどうですか?
自分にない視点をもらえるのが! ノベルゲームをメインに読んでいたので、自分の文章が若干小説っぽくないな、ゲームに偏ってるなって思うんです。なので、小説にするならっていう軌道修正してもらえるのはありがたいですね。
――原稿料についてはいかがでしょう? 日本で原稿料が出る形態って見かけないですよね
そうですね。原稿料=かつて作家が新聞に寄稿してた、みたいなイメージです。
――原稿料が支払われる、というビジネスモデルはどう思いますか? なにかご自身の変化などありましたか?
ちょっと下世話な気もするんですけど、お金があると自分の創作の幅が広がるなって思いました。作家って想像で書くこともありますけど、私自身は体験したことも書くものだと思ってるんですよ。原稿料は本を読んだり、観劇をしたり、そういうインプットの活動費にさせていただいてます。
――観劇がお好きなんですね
はい! 最近は竜騎士07先生の『うみねこのなく頃に』に舞台を見て、ダバダバ泣きながら帰ってきましたね。そしたら同じ日にネオページの公式Xで私の作品紹介されてて、涙がひっこみました。(笑)
――原稿料の金額には満足してますか?
人によって契約内容違うかもしれませんけど、自分の契約には満足してますよ。でも上がれば上がるほど嬉しい……(笑)。今、月に4~5万円いただいてて、そのうちの1万円を作品の表紙絵や挿絵の依頼に使ったんですよ。あとは生活費にも充てて、インプット費にしたりして。それが増えれば増えただけやっぱり嬉しいですよね。
――原稿料以外の収益化ももっと頑張りますね! 書籍化、コミカライズ、アニメ化などについてはどのように考えていますか?
夢ですよね。私、第一に書籍化したいって思ってます。電子でも紙でも嬉しいんですけど、作品が形になるっていうのは一つの到達点だなって思います。アニメ化したら嬉しいけど私、どうなっちゃうんだろう? って思ってます。
――自分のキャラクターが動く、しゃべる、って興奮しますよね
そうなんですよ。最近はアニメじゃなくても、Vtuberさんが朗読や作品紹介とかもなさってるじゃないですか。自分が『底てえてえ』を書いてるのもあるんですけど、読んでもらうのもできたらいいなあって
――Vtuberが注目市場なことを社内で共有しておきます! 良い情報をありがとうございます
そんなふうに言ってもらえてよかった~! 嬉しいです!
――現状のネオページの印象はどうですか?
うーん、小説のことを考えてくれてるなあって思います
――そんな高評価をいただいてもいいんでしょうか(嬉しい)
契約作家になったら担当編集さんが伴走してくれて、ほかの作家さんと交流できるDiscordのサーバーを用意してくださってて、読者さんにも還元システムがあって呼び込んでくれて、どれをとっても小説のことを第一に考えてくれてるなって。今の作品が完結してもまたネオページで連載やりたいです
―― Discordのお話もしてくださってますがユーザー同士の交流についてはいかがですか?
日々、いろんな方がいろんなこと言っててすごいなって。作家さんって想像力の塊だと思ってるんですけど雑談にもそういうのが含まれてるんですよね。私にはその視点は無かったなって。ちょっと履歴見てもいいですか? このあいだ「ハーピーの丸焼き」の話してたんですよね
――「ハーピーの丸焼き」……!?
異世界創作料理みたいな話してたんです。ハーピーをカラアゲにするとか考えたこともなくて(笑)。
――契約作家になったことでなにか変化はありましたか? 自信になったこと、ハッピーになったことなど
ありますあります! もともとコミッションサイトで依頼を受けて収入を得ているんですけど、それって相手から「こういうものを書いてほしい」「このプロットを膨らませてほしい」って依頼されるんです。当たり前ですけど、そこに自分の想像力の介在の余地があまりないんですよね。
だから今までは私は小説家って名乗ってもいいのかな? って思ってて。ネオページでは自分が1から作った作品を連載させていただいてて、胸張って小説家ですって言える気がします。
――良いほうの変化が起きていてよかったです
良いほうと言えば、契約作家になってから生活がすごい整いました!
――ど、どういうことですか?
今までは文字通り、隙間隙間で書き物をしてたんです。契約作家になってから、毎日5時間作業するようにし始めました。ネオページに健康管理してもらってます。
――原稿の依頼が誰かの健康管理に繋がるなんて思ってもみませんでした
助かってます(笑)。
――モチベーションが保てなくなったりはしませんか?
私は決まったルーチンワークでスイッチを切り替えるタイプです。今だと、ブランチを食べて、お気に入りのコーヒーを飲んで、PCをつけて、ってスモールステップをクリアしていくと一気に作業できるんで。本当に書けない時は体の不調を疑ってますね。
――今はその体調管理もネオページがしてるんですね。次は何を聞こうかな……
なんでもドンとこいです!
――では、連載を始めてからなにか感動したことはありますか? たとえば、スキルアップを実感したとか
スキルアップというか、決まった時間に起きて作業してっていうのが毎日できるようになったのがすごいって思ってます。今までは依頼が途切れる期間とかもあったので、そういうときはリズムが作れなくて。
――なるほど。では詩乃宮さんの個人的な話が聞きたいです。注目しているジャンルなどはありますか?
個人的にはホラーを開拓してる最中なんですよね。最近、モキュメンタリーが流行りだしたじゃないですか。あれって「読者のあなたが呪われました」みたいなタイプのお話があるじゃないですか、現実に侵食してくる新しい角度の怖さだなって。読み漁ってます。
――背筋さん、雨穴さん、梨さんあたりがよくとりあげられてますよね
ですね、最初は雨穴さんから読みました。そのあと『近畿地方のある場所について』(背筋、KADOKAWA)を読んだんですけど面白い! って思って。最近風邪をひいて家から出られなかったので、次に本屋さん言ったら新作を買うぞって思ってます。まずはメジャーなところから!
――インタビュー担当もホラーが好きなので一緒においしいお茶が飲めそうです!
本当ですか! 嬉しい~! 私、おすすめされた本買ってこようって思ってるんですよ! 『ぼぎわんがくる』は映画は見ました。
――担当の趣味でオススメしたいアンソロジーとかがあるのですが……
わあ! メモしておきます!
――我が出てすみません。続いて、ネオページは怪しいと疑っている方へのアドバイスなどをお願いします。サイトをうまく使う方法とか
私が意識してることは、いただいたコメントにはきっちりお返事を書くことですね。返事をすることでも“アクティブランキング”に反映されてランクが高くなるので。話ごとの感想にも細かく返事をして、ランキングに載るとまた他の人が見に来てくれて……っていうのを意識してやってます。
――ネオページのランキングって少し特殊かと思いますが、詩乃宮さんから見ていかがですか?
今後どうなるかはわからないですけど、“応援ランキング”はチケットの枚数で決まるじゃないですか。あのチケット、自分自身に使えるので週の始めにランキングに載せられるので効果的だなと。
――宣伝のために活用していただいてるんですね
そうですそうです! 私は自分にチケット使っちゃいます。
――機能面は今後もアップデートをいろいろやる予定なのでご期待ください!
お願いします! 自分に使えなくなったら読みたい作品にひたすら入れていくと思いますね。
――現状、チケットは1ユーザー1日1枚までですが少ないでしょうか?
それ! すっごい思ってます。1枚使っちゃったけど、別の作品にも使いたかったとか思います。チケット貯められるようになりませんかね? それか1日3枚とか5枚とかになったら嬉しいです。
――チケット少ないです、って社内で伝えておきます
ありがとうございます(笑)。
――サイトの話に戻るのですが、ネオページに将来性は感じますか?
将来性あると思う……どこ目線だよってかんじですみません(笑)。契約作家のネオページ限定の作品があるって強みになっていくのかなって思いますし、読者側にも還元イベントがあるじゃないですか。だから今後大きくなっていくんじゃないかなって思うし、なっていってほしいなって願望があります。
――今後、契約作家になりたいという方は増えてくれるでしょうか?
増えると思いますよ。この間、編集部のどなたかがXで「新しい作家さん募集します」ってポストしてたんですよ。反応がすごいあって、今は小さな界隈だけどネオページで契約作家になるっていうのがひとつのステータスになるんじゃないかなって思ってます。
――めちゃくちゃ褒めてくださるじゃないですか……編集部が喜ぶので伝えていいですか?
えっ! ぜひ!(笑)。
――次は読者目線でのおすすめ作品を教えてください
八月朔日さんの『逆プロポーズではじまる交際0日婚! ~狙うのは脚本家としての成功とXXX』ですね! すっごく面白くて! 主人公たちの距離が縮まるのが遅くて、「早く結婚して!」っていう気持ちと「もう結婚してるんだった!」って気持ちが反復横跳びしてるんです。第2章は胸キュンシーンが増えるので覗き見る気持ちで読んでいて……作者様のXでの告知も見ていてうわー! うわー! ってなっちゃって。
――すごい熱量で圧倒されました(笑)
好きな作品にはこうなってしまって……もう1作品あるのでいいですか?(笑)。
『VRMMOで怪盗になってRMT業者から世界を奪い返します』って作品なんですけど、1話読んだだけで映画1本見たみたいな気分になりました! 爽快感がありつつ、ヒロインとの甘いイチャラブもあってすごい作品がきた……! って思いました。
――すごい、作品への愛を感じます!
この2作品は本当にゴリ推ししたいです。『逆ゼロ』はドラマ、『VRMMO』はアニメでぜひ観たいですね!
――では最後に、契約を目指す方やこれからくるユーザー様へ一言お願いします!
ネオページはすごく活気に満ち溢れていて、読む側も書く側もなにかしら還元があって、作家は連載という目標に邁進出来て、SNSで他の作家さんとも繋がれて。ウェブ作家は孤独なものとかいいますけど、「街」みたいな雰囲気を感じてます。ぜひ「ネオページ街」に来ていただいて、私も関わりたいです! 待ってます!
※本インタビュー以後、サイト内の一部機能が改修されています。