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2024年7月

7月初旬、突然、『親友の元彼女の親友』から絶交を言われた。

あの事件の後、2人は少しずつ回復していった。そして『彼女の親友』は、ずっと住みたがっていた物件に空きが出たと、嬉しそうに電話してきた。僕もその物件を確認したが、家賃も含めてかなり好条件だと思った。ただし、一人暮らしの物件の内見が不安だと言われ、ついてきてほしいと頼まれた。亡き母が僕の初めての一人暮らしの際に付き添ってくれたことを思い出し、僕も『親友の元彼女の親友』の不安は理解できた。正直、『親友の元彼女の親友』の親や『親友の元彼女の親友の新しい彼氏』が行くべきだと思ったが、親は忙しい。また、『新しい彼氏』はあまり真剣に部屋探しに協力していないようだった。「一緒に住むなら俺と同棲しろ」という立場で、反対していたらしい。結果的に、頼れるのは僕だけだった。


結局、内見には行けなかった。前日に言われても、すぐに対応するのは無理だったからだ。しかし、『親友の元彼女の親友』の父親を説得し、無事に父親と一緒に内見ができたようだった。そして、その日の夜、電話で内見の結果や契約手続きの話をしながら、『親友の元彼女の親友』と盛り上がった。『親友の元彼女の親友』は初めての一人暮らしに本当にワクワクしていて、インテリアの話や電化製品の写真を見せてくれた。僕はインテリアに詳しくなかったけれど、それでも嬉しかった。


そして翌朝、「もうラインをしないでください」とだけ書かれたメッセージが届いた。どうやら、昨日の電話が思った以上に盛り上がり、3時間も続いてしまったらしい。それで、『新しい彼氏』からのラインにも返事できなかったようだ。それを不信に思った彼が問い詰め、怒ったのだ。正直、僕はそのリスクを理解していた。『新しい彼氏』の気持ちも分かる。しかし、困っている人が目の前にいると、どうしても助けたくなってしまう自分がいた。


だから、僕は反省した。このようなことが二度と起きてはいけないと強く思った。そして、その後、『親友の元彼女の親友』から謝罪のラインが届いた。僕は大人の対応をしつつ、再度決意を固め、『親友の元彼女の親友』にも親友の元『彼女』にも連絡をしないことを伝えた。親友の元『彼女』はモテるし、いつか僕も同じような苦い思いをさせてしまうだろう。そう思ったから。



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