10月。たまたまテレビを見ていると、ある町の特集が放送されていた。それは、あの親友の元『彼女』と『親友の元彼女の親友』が住んでいる地域だった。
映像に映る風景を見ながら、甘美な思い出が頭をよぎる。それと同時に、僕の心の奥に何かが弾けて、衝動的にラインを送ってしまった。自分でも分かっていた。やってはいけないことだと、心の中で警告していたのに、それでも指が勝手に動いた。
「きもい」と思われるかもしれない。あれだけ時間が経って、今さら何を思われるだろう。そう考えながらも、もう後戻りはできなかった。
しかし、予想に反して、2人は昔のように、まるで何事もなかったかのように、自然に接してくれた。それはおそらく、僕が彼女たちにとっての「友達」であり、信頼されているからだろう。
ただ、冷静になったとき、気づく。彼女たちの人生はすでに僕の知らない方向に進んでいた。2人とも、新しい彼氏がいた。
僕にできることは、ただ一つ。それは、もう過去の自分を引きずらず、2人にとって「友人」として振る舞うこと。大人になりきったふりをして、彼女たちの信頼を裏切らないように振る舞うこと。それしかなかった。
「おめでとう! 良かったじゃん!」と2人に送り、胸の奥で何かが切なくなりながらも、僕はその役割を果たした。