7月。突然の連絡だった。
再び3人で遊ぶ予定を立てようかと迷っていた矢先、『親友』からラインが届いた。
「あいつと別れた」
その短い一文が、何かを終わらせる引き金のように感じられた。
『親友の彼女』。いや、もう『彼女』ではないその人と、僕をつないでいた唯一の手段、それが今まさに途絶えたのだ。僕が「彼氏の親友」という立場に頼って築いていた関係は、とうとう終わりを迎えた。
内心では分かっていた。彼氏という肩書が消えれば、僕と彼女の間には何の接点もなくなる。それがなくなる日が来ることを、ずっと恐れていた。それで焦ってもいた。遊べるうちに遊んでおかないといけないと。そう考えながらも、何も行動できない自分がいた。
「優柔不断な僕を、神は許さなかったのだろう」
そう思ったとき、どこか諦めにも似た感情が心に広がった。だから僕は、神の命令に従うことにした。いや、ただ逃げただけなのかもしれない。
それでも僕は、もう連絡をしないと決めた。それが正しい選択だと信じるために。
ラインの画面を閉じたあと、部屋の静けさがいやに耳に響いた。