目次
ブックマーク
応援する
いいね!
コメント
シェア
通報

極道という生き方-6



龍二が家に戻って二日が過ぎ、静かな生活へと表面上は戻った。

ただ何か物足りない。

もちろん理由はジョージがいないということだと理解している。

一生懸命に悠亜が明るい雰囲気を作るが今一つ上がらない。

なにより美佐子が龍二との会話をしなくなった。

美佐子の中に疑念が生まれていることは確かだし、龍二もそれは感じ取っていた。

その日、朝から悠亜が紅蘭と遊ぶといって出かけて行った。


美佐子と二人きりの昼食となったとき、

「翼…おばあちゃんには嘘つかないで。

何に巻き込まれているの?」

と真剣な眼差しで問いかける。

龍二はすべてを打ち明けることにした。

これ以上はだまし続けられない。

【これは榊原翼が望んだことなんだ】

と前置きをして、

【実は】

と書いたところでスマホが鳴る。

ゆうからのメッセージで、

『紅蘭と数日連絡がとれないんだけどそっちにいたりする?』

と書かれていた。

(紅蘭と連絡がとれないって今日悠亜と遊んでいるんじゃ…。)

そこで龍二は気づく。

(悠亜が危ない!!)

すぐに優に現状を返信する。

そして、

【帰ってきたらすべてを話す】

と美佐子に告げ急いで身支度をしロングパーカーを羽織り家を飛び出した。



この作品に、最初のコメントを書いてみませんか?