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極道という生き方-5



この三日間、シャッターが閉じられたままのアイドルショップモモコ。

そのバックヤードで木下の怒号が響く。

「おい、正直に吐けこのやろう!!」

その見下した目線の先には、身ぐるみを剥がされ手足を縛られた紅蘭の腫れた顔があった。

「全部喋りましたから…!!お願いします…帰してください…!!」

泣きながら懇願する紅蘭の頬に強めの平手打ちが飛ぶ。

「ホントに全部喋りましたから…!!許してください…!!」

涙で顔を濡らし、頬を腫らした紅蘭が懇願を強める。

「まさかあの店に竹内のめかけの指示でスパイやってたとはなぁ。

それに白鳥茉莉まで裏切って山辰に囲われて手出しができねぇ。」

苛立ちを全面に出す木下。

「そこへきて竹内のところの氷室が蘇って復讐しているだと?

てめえ舐めてんのか!!そんな戯言ざれごと誰が信用すんだよ!!」

と怒りを爆発させながら怒鳴り続ける。

恐怖で震えあがる紅蘭。

「さらにだ、そいつが黒川殺して、その相棒の猫が加藤を殺しただぁ?

てめえ極道なめてんのか?舐めてんだろう!!」

木下は思い切り紅蘭の脚を蹴る。

「痛い…痛いです…でもホントなんです…。」

紅蘭の弱々しい声に、

「百歩譲って氷室がまだ生きてるとしよう。

この抗争を裏で煽ってやがるってんなら呼べ。

なあ?女スパイ。死にたくなかったらその氷室的なやつをおびき出せ。

いいか?次裏切ったら八つ裂きにして殺すぞ。」

木下の脅しに紅蘭は首を何回も縦に振った。

木下は振り返り、5人ほどの若衆に、

「とりあえずこの女。逃げる気力すらなくなるほど痛めつけとけ。

殺さない程度に楽しめよ。」

そういうと出口に向かった。

残された若衆たちはズボンのベルトを緩めて一斉に紅蘭に襲い掛かった。

「いや…やめてお願い…!!イヤーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!」

紅蘭の断末魔の叫びが店中に響き渡った。




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