龍二の足の具合を考慮しタクシーで悠亜の家まで行く。
玄関先で待っているつもりだったが、
「お父さんいないからあがって!!」
と悠亜が招く。
待たせてあったタクシーに金を払い、悠亜の家に上がり、居間で出された麦茶をすする。
「翼くん、ちょっと手伝って!!」
と奥の部屋から悠亜の声が聞こえる。
足を引きずりながら部屋に進むと、そこは明らかな女の部屋。
悠亜の部屋であることが即座に理解できた。
その部屋の真ん中で悠亜がこちらを向いて立っていた。
「翼くん…。」
静かな声で悠亜がつぶやく。
(そうか…。)
龍二はこの状況を理解した。
初めて会った時からこうなることはわかっていた。
いや、こうなることを望んでいたかもしれない。
ただ自分はこの先の人生がどうなるかわからない。
だから必死に逃げていた。なによりも悠亜を傷つけたくなかった。
しかし今の龍二の思考は悠亜を抱きたいという願望に満ちていた。
この感情は今できたものではない。
ずっと、持っていた感情。
いつの間にかいつもそばにいて渾身的に尽くしてくれる悠亜に惹かれていた。
しかし自分の自尊心がそれを邪魔していた。
中身は40才の極道者。
悠亜は16才の女子高生。
超えてはならない壁がそびえ立っていた。
しかしそれは龍二が作った壁。
それを悠亜がぶち破ってくれた。
(結局…俺を救ってくれるのはお前なのかもしれないな…。)
龍二はゆっくり悠亜に近づき慎重に唇を重ねた。
そして悠亜のシャツのボタンをひとつひとつ丁寧に外し、キスのレベルを上げる。
小刻みに震える悠亜の身体を優しく撫でてベッドに寝かせた。
優しく丁寧に愛撫をして龍二と悠亜は一つになった。