龍の翼-2
龍二は落ち着いた気持ちで暗闇に流されていった。
そんな暗闇の中で、奇声ともとれる女の声を耳にした。
それは徐々に大きくなり、はっきりと聞き取れる。
「ツバサ!ツバサ!」
状況がわからぬまま龍二は突然光の中に吸い込まれた。
目を開けるとそこは先程とは違う天井が見えた。
自分がベッドに寝ていることはすぐに理解できたが、状況がわからない。
視界に広がるのは真っ白な空間。
思わず天井に手を伸ばす。
突然さきほど暗闇の中で聞いた女の声が鼓膜に突き刺さる。
「ツバサ!!おばあちゃんだよ!!わかる!?」
龍二はその女を凝視した。