翌日より、訓練が始まる。時より激しく咳き込むがスキルによる身体能力の向上で、何とかなりそうだ。
しかし、まだ熱で体の不調が続いているが、体を騙しだましで訓練を進めていく。
勇者は、あの日以来 逆らうこと無く、従順を装った。心中を悟られない様に。
数ヶ月のち、訓練を終了と同時に魔王軍との戦いが始まる。戦いは勇者の力で五分五分で進んで行ったが、徐々に王国軍が、押され気味になる。王国軍に病気が蔓延し始め、咳き込み寝込む兵が増え始め、戦える兵が減少し始めていた。
城の中や王都でも咳の音が響き渡り、熱で倒れて死ぬ者まで出始めた。王も宰相も将軍さえ、ベッドで横たわっている。完全に軍は機能を失い始めていた。
城中にまともに警備が出来る兵はなく、ベッドに横たわる王の枕元まで楽々と勇者は進んだ。