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第82話 後日談?

 静かな洞窟の中。

 『全てを見た魔女』こと、ゼナイド・クララックは一人封印されし『サテュロス』の前で佇んでいた。


「哀れなものねぇ……。元は同一の神だったはずなのに」


《故に、封印せねばならなかった》


 いつの間に現れたのだろう。サジタリウスが彼女に近くへ行く。


「あらあら? 神様がになんの御用かしら?」


 口元だけ笑う彼女に、サジタリウスは顔色一つ変えずに答える。


《聖女よ。選定の意味を正しく認識されていること、謝意を述べよう》


「ふん。そういう性格に設定しているくせに、何を今さら……」


 咎めるように言う彼女に、サジタリウスが更に続ける。


《この世界に生きし者の運命也》


 言いたい事だけ告げ、サジタリウスは去って行った。それを見送ると、ゼナイドは魔女帽子を深く被る。


「わかっているわよ。この世界は……の世界と結合した世界。後輩の……『勇者』の近くに都合のいい奴しかいないのも道理よねぇ。そういう存在として生まれたんだから……」


 そうぼやくと、ゼナイドは再び自分の管轄区域へと戻って行く。そう、それが彼女の運命。『勇者』として選定された者を導くための……駒としての己を認識しながら――

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