魔王城。
人間を喰う魔族の国の王が住む城。
魔鏡を眺めて、魔王様は溜息を吐いた。
「あーぁ、また来ちゃった。何回来ても同じなのになぁ」
人間のパーティが魔王を殺しに魔王城にやってくる。
その度に、返り討ち。人間は魔族に勝てない。
「何百年、同じこと繰り返したら、勝てないって気が付いてもらえるのかなぁ」
多くのパーティが魔王城目指して、人間の国から魔国までやってくる。
城まで辿り着けるパーティはほとんどない。
魔王が相手にするパーティの数は、多くはないのだが。
「喰うのは好きだけどさ、別に殺すのが好きなわけじゃないんだよね」
戦いを挑まれれば、魔王も対応せざるを得ない。
「城が血で汚れるの嫌い。人間の血って鉄臭いし」
かといって生け捕りにすると檻の中で自害したりする。
勝手に死なれると、肉の鮮度が下がる。
「せめて、今から死にますんで保存お願いしまーす、とか言ってくれたらいいのに」
魔王は魔鏡を眺めた。
魔王城にまで辿り着いたのだから、今回のパーティは強いんだろう。
血の雨が降るのは必須だ。
「あれ、勇者の男の子、可愛いかも」
先頭を歩く戦士の後ろを、周囲を警戒しながら歩く男に、魔王の目は釘付けになった。
「適度に胸筋ついてモリモリじゃん」
「胸筋なら戦士の方がモリモリじゃん。俺好みの雄っぱい」
後ろから魔王軍団長のランドールが魔鏡を覗き込んだ。
「そうだけど、筋肉の塊って感じだよね。顔も可愛いし、程よく筋肉付いてる勇者君の方が魔王は好み」
「あの勇者、犬顔で魔王様の好みっぽいなぁ。ああいう、絵に描いたような清廉潔白な正義の味方は、ちょっとイジるとすぐメス堕ちしたりするよな」
ランドールの言う通り、如何にも国民に慕われる正義の味方って顔をしている。
「メス堕ちかぁ。じゃぁ、今回は全員、メス堕ちコースでいく?」
殺すより犯す方がいい。
城が血で汚れないし、性玩具にして遊んだ後は餌に出来る。
「いいねぇ。この前作った魔王軍の玩具、壊れて喰ったからみんな溜まってんだよ。後ろの魔法使いと賢者、魔王軍用の玩具にしようぜ」
「戦士は?」
最前列を先導する戦士は、如何にも勇猛果敢な百戦錬磨の風貌だ。
「俺の性奴隷にしたい。魔印で淫紋付けてくれよ、魔王様」
「魔印かぁ。性奴隷、いいねぇ。魔王もあの勇者君を奴隷にして、しばらく遊ぼっかな」
憂鬱な気持ちが晴れてワクワクした魔王様。
攻め込んで来た勇者パーティを性奴隷にすることに決めました。