「すごい!あの三騎 他をまったく寄せ付けてない!」
と何も知らない 能天気な様子の景品ことナジュ
近くのテーブルの水差しを取ろうとして 足もとを滑らす
「あ・・」
さっと ナジュ、ナジュサアナの身体を支える 銀色の髪をした親衛隊長
「まったく・・気をつけろ」
言葉は裏腹 優しい音の響き
見詰める瞳もまた 穏やかに優しく見詰めている
そんな瞳から なぜか目が離せないナジュ
「あ、いえ すいません」
慌てて離れようとした ナジュの手をとり そっと 手にくちずけをする
「あいかわらず 美しいな 」 ふっと笑う
額にかかったナジュの黒髪に触れる じっと見詰め合う
「・・ナジュ・・お前の瞳、青の瞳に 魂ごと吸い込まれてしまいそうだ」
「国境の町で 購入した菓子だ 確か好きだと聞いた」
「ひょこ型のお饅頭 確か、伝説の地ジャパングでの菓子を真似て
作られたもの 『ぴよぴよ饅頭(まんじゅう)』
これを 僕に・・こんな珍しくて高価なものを?」
感激のあまり涙ぐむナジュ
ふっと笑う親衛隊隊長
どうしていいか わからずに とまどっていると
親衛隊長は さっときびすを返した
黙ってその姿を見送るナジュ
・・などなどなど・・・美形な親衛隊長とナジュサアナが
ちょっとラブな(怪しげな?)場面が展開しているなど
知るよしもない三人は 景品・ナジュを争い
レースでの激闘を繰り返していた