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炎のダンジョン磐梯山
炎のダンジョン磐梯山
りねん翠
現代ファンタジー現代ダンジョン
2025年04月15日
公開日
13.4万字
完結済
磐梯山に突如として巨大な亀裂が出現し、内部には不思議なダンジョンが姿を現した。 IT企業のサラリーマンで消防団員の青山智也は、かつて「火の巫女」の封印を更新する儀式に関わった「選ばれし者」。彼は消防団の仲間と共に、ダンジョン内に迷い込んだ人々の救出に向かう。 内部に足を踏み入れた彼らは、古代神殿のような空間、炎と氷が交錯する不思議な世界、そして火の精霊が守る謎解きの試練に直面する。青山の論理的思考と仲間の知恵で試練を乗り越えながら、彼らは火の巫女・篝が呼ぶ声に導かれていく。 (一部執筆のガイド等に、AI補助ツールを利用しています)

第1話

磐梯山ばんだいさんが噴火しました。」


テレビに映し出されたニュースキャスターの青ざめた顔と、緊迫した声が居間に響き渡る。青山智也あおやまともやは腰を浮かせたまま、信じられない思いで画面を凝視した。


「現在のところ、人的被害の報告はありませんが、周辺地域では避難指示が出されています。詳細は分かり次第、随時お伝えします。」


青山の携帯電話が鳴り、彼はハッとしてポケットから取り出した。画面には「村瀬むらせ副団長」の名前が表示されている。


「もしもし、青山です!」


「青山、緊急招集だ!」村瀬の声は、静かながらも切迫感に満ちていた。「全団員に連絡が行っている。すぐに詰所へ来てくれ。」


「はい、すぐに向かいます!」


電話を切ると同時に、青山は防災バッグを掴み、アパートを飛び出した。外に出ると、遠くの空が不気味な赤みを帯びているのが見えた。磐梯山の方角だ。


頭の中は疑問と不安で一杯だった。ついこの前、彼は「火の巫女」との対話を経て、「封印の言葉」を唱えたばかり。儀式は成功したはずだった。それなのに、なぜ今になって山が噴火するのか?


詰所に着くと、すでに多くの団員が集まっていた。全員が緊張した面持ちで、無言で各自の装備を身につけている。


「おう、来たか!」


中村が青山の肩を叩いた。普段の軽口が影を潜め、彼の顔には固い決意が浮かんでいる。


「何が起きてるんだ?」青山は尋ねた。「テレビでは噴火と言っていたが…」


「噴火じゃないらしい」中村は声を落とした。「火山性の地震は記録されていない。村瀬さんによると…あの『ダンジョン』が出現したんだ。」


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