目次
ブックマーク
応援する
いいね!
コメント
シェア
通報

18 授業①


「さて、6階に降りてきたはいいものの、なかなか広いな。」


「アルファス、わかるか?」


「そうだな、大体あこらへんだろうか。」


と言って、ダークアローを飛ばした。

すると壁だった部分が部屋と化し扉が現れた。


「ねるほど。認識阻害の魔法というのはこういうことか。」


「こんな魔法容易いわ。」


教室に向かい扉を開くと俺に向かって魔法が飛んできた。


「おう!あれを交わすか!」


「手厚い歓迎ありがとう学生諸君。魔法を打ってきた君はマダラス・フォーグナーだね。」


「貴様ぁ。私のひなりさんによくもぉ。灰になれぇー!!」


あぁ、こうなったか。ルーナがキレるとはまた珍しい。


「はい!ウォーターボール。ファイヤーボールが直撃しなかっただけマシだと思って反省しなさいマダラス君。ルーナもいきなり生徒に向かって魔法打つのは無しだよ。」


「びしょびしょじゃねぇかぁ!このガキがぁ!!」


「結界魔法 空間2/2。拳もいいけど今はその時間じゃないんでね。わかったかい?」


「おい!ここから出せ!クソガキぃ!」


「分かるまでそこにいなさい。はーい、じゃあ授業始めるよー。まずは自己紹介からね。」

「俺は灯生。そしてルーナ、セリーヌ、アルファスだ。ルーナとセリーヌは生徒側でアシストして!アルファスは俺の補助でお願い!」


「御意に。」


「分かりました!ルーナ!行きますよー!」


「それじゃぁ順番に名前と年齢に種族、それから・・・何が得意か、魔法とか剣術とか言っていってくれる?」


「僕はルディ・フォン・ボアルネ、16歳、魔人族です。剣術が基本で魔法はその補助的に使っています。」


「俺はギド・マテス、20歳だ。獣人族、剣術はもちろん武術も得意だ!」


わたくしはスベトラーナ・マリフ、17歳、人間族。魔法専門ですわ!」


「私はララ・ヴァイスです。17歳、人間族です。同じく魔法のみです。」


「僕はアースラン・ドロスト、18歳の魔人族です!魔法も剣術も嗜んでおります!」


「あたしはセリンダ・コルソン。21歳、獣人族だよ!剣と弓も使うかな!」


「ソフィー・ランプリング、です。20歳、ドワーフ。魔法と魔術、使います。魔道具技師を目指して、ます。」


「よろしい!みんな自己紹介ありがとう!そして閉じ込められている君の名は?」


「・・・・・・。」


◈スキル『思考念熟』


「ふむふむ。マダラス・フォーグナー。20歳、魔人族で魔法も剣術も使用するか。父レント・フォーグナー、母ベアトリス・フォーグナーの下に生まれる。幼い頃から、魔法・剣術の才に恵まれたが貧困街の生まれで煙たがられていた。病気の弟のために稼ぎに行き生計を立てている。まだ続けるかな?」


「な、なんで、俺のことを知っているんだ??」


「知らないよ。君の頭の中をのぞいただけさ。さぁどうする?授業を受けるんだったらこのままここにいてもいいけど、悪ふざけするんだったら出口はあっちだ、さぁ、どうする? 解除!」


「わかった。俺が悪かった。席に戻るよ。」


「みんなに言うけど、校長から声がかかったからただ集まっただけだと思う。でも僕が担当するからには強制はしないし、別に違うクラスに行ってもらって一向に構わない。ただ学びたいと思う人にはしっかり教えるよ。出ていくなら今だよ。」


「・・・・・・。」


ほほー。こんだけ言って誰も出ていかないんだ。やる気はあるようだ。


「よし!それじゃ8人とも、今日からよろしくね!」

「せっかく教室にいるから座学と行こうか。教本は持っているかな?」


みんな持っているようだ。マダラスも持っているとは、根は真面目な子なのかな。


「みんなが持っている教本、魔術が記述されいる魔術書、読んだ者に魔法やスキルを付与する付与書、魔物や魔獣といったモンスターが記載された図鑑等々、それらを総称して魔書と呼ぶのはみんな知ってると思うけど、基本的な魔法とは何か答えられるかい?」


「はい!先生!」


「はーい。アースラン君!」


「魔法とは体に存在するエネルギーのことです!」


「まぁまぁだね!他には?」


「はい!」


「はーい。スベトラーナ君!」


「魔法とは、魔族の力ですわ!!」


「それもまぁまぁだね!他にはー?」


「はいー、せんせい・・・。」


「はーい。ソフィー君!」


「魔法は、自然、です。」


「うん!正解だね!よく勉強しているね!」

「魔法とは、自然の物質やエネルギー、まぁわかりやすく言うと空気みたいなものかな。それを体に取り込むことによって自身のエネルギー源となり、これを魔力と言う。その魔力をどんな形か属性かイメージする。そして体の外に放出する、これを魔法と呼ぶんだ。魔族もこれを空気を吸うように当たり前にやっていたと思うんだけど、アルファス、違うかな?」


「お見事。その通りですな。」


「スベトラーナ君。まぁ外から見れば確かにあれは恐ろしい魔族の力だ!って思うかもしれないけど、中身を見てしっかり確認をしないといけないよ。偏見は身を滅ぼしかねない。疑ってみることが学びの基本だよ!」


「わ、わかりましたわ!!」


「魔法は分かったね!それでは!お次は魔術!魔術とは何か答えられるかな?ソフィー君は知ってそうだから今回はなしでー。」


ソフィー君。引っ込み思案な子だけど、しっかり勉強している。流石、魔道具技師志望だ。さっきも手をあげようとしたが、すぐ答えられてしまっては面白くないので、先に言っといて正解だった。


「はい!」


「はーい。ルディ君。」


「魔法の詠唱を書き起こしたものです。」


そういえば今まで詠唱なんかしたことなかったな。

◈あの、アルファス?魔法に詠唱ってあるの?


◈もちろんある。灯生殿はもちろん、ルーナ嬢やセリーヌはイメージで発動させているというと少し違うが、詠唱の代わりに本能で魔法を使っているという感じですな。だから無詠唱になっている。ちなみに私も同じく無詠唱だ。


◈なるほど。じゃぁ普通の人間には詠唱が必要ってこと?


◈もちろんです。


◈はぁそんなこと初耳だ・・・。


「あぁうん正解。ざっくり言うとそんな感じだね!!」


となんとか交わした。詠唱のところなんてすっ飛ばして読んでた。また読む必要があるなぁ。


「ここまで復習ができたので今度は実践に行く。実習室に行くから準備してー!」


◈アルファス、実習室ってどこにあるかわかるか?


◈外の真四角の建物かと。


◈ありがと!いつもすまないねぇ。


◈いえいえ!お役に立てて嬉しいですぞ!


生徒たちを連れ実習室へと向かった。


この作品に、最初のコメントを書いてみませんか?