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17 校長室②


いい香りがする。それに口があったかい。絡み合って・・・。

なんどろ・・・。目の前にロータスが・・・。

ロータス!?な、なにをしているんだ!?な、なにがどうなって・・・!?

なぜキスをしている!?まさか・・・昨日のあれか??

あれを朝の挨拶としてとらえたのか??そんな馬鹿正直な!?

いや、現に今このような状況に陥っているのだが・・・。


「あ、あの・・・ロータスさん?あの、そろそろ・・・。」


「あ、起きられましたか。おはようございます。朝食の準備ができております。」


うぅ〜ん??ふっつーに対応している、だと!?

そういうことに抵抗がない人なのか??


「あ、あの・・・キスはしないくていいからね・・・。」


「でも、昨日あれが挨拶だと仰ってましたよね?」


あぁ、うん、やっぱり、あれか。うん、まぁ確かに言った。確かに言ったが!?


「言ったけど、あれは、その、あの場を収める、その、なんだ、言い訳だ!」

「だから、今後はしなくていいからね!!」


「分かりました・・・。」


なぜか、納得いっていない様子。まぁこれで朝から元気にならずに済むだろう。



朝食を済ませた俺たちはいつものように別れた。


「とりあえず校長室へ向かうとしようか。」


「そうですね!初めての学校!ワクワクします!!」


「ルーナとセリーヌは生徒なのか?まぁ基礎から学ぶにはちょうどいいかもしれないな。」


「私も5大魔法はまだ慣れていないので教えていただけると助かります!」


「わかった!それじゃ、校長室へテレポート!」



ーサリヴァン魔術学校 校長室。


「おはようございまーす!サルビア校長!」


「うわっ!びっくりした!あぁ、灯生君か、おはよう!」

「じゃないよ!ここには結界魔法をかけてあるから転移できるはずがないのに!?」


「でも転移できましたけど・・・。」


「はぁ、もういいよ~、考えるだけ無駄だ~。」

「というか、転移魔法が使えるのかい?最初に言ってほしかったよ!」

「転移魔法が使えるものはそう多くない。気を付けるように!」


「わかりましたー!それで今日からでしたよね?何をすれば?」


「はぁ。えぇーっとなんだっけ・・・、あぁそうだそうだ。生徒に授業を教えてほしい!」


「それは聞きましたけど、具体的には?」


「その前にこの学校について説明しておこうと思う!!」

「この学校では魔法だけでなく、剣術も教えている。学年は9学年まであり、14歳~25歳のもので種族は問わないようにしている。試験は教授立ち合いの下随時行っているが、魔法と剣術の総合で成績が決まる。」


「先生たちは何人くらいいるんです?」


「私を合わせると40人ほどかな!」


「40人!?また、それは多いですね。」


「教えるものもいるし、仕事が多いから事務方もいるのでね。総合的に多くなっちゃうんだよ。」


「はぁ、それで、俺の担当する生徒は?」


「それなんだけど、かなり迷ってね・・・。これが名簿だ、ま、まぁがんばってね!」


「いやまだ授業の内容聞いてないんですが・・・。」


「あっと、それは君に任せるよ!教室なら開いているところを使うといいよ。実習するなら実習室を使うといいけど、灯生君も魔法とか使うんだったら結界は絶対張ってね!壊れるから。絶対ね!!」


「はぁ、わかりました・・・。それで生徒たちは今どこに?」


「たぶん、2階かな、いや9階、3階だったような・・・。」


「あ、大丈夫です。俺たちで探します。それじゃ失礼しますー。」


「ごめんよ~。」



ー校長室を後にして。


「ひさなりさん、どこから探しますか?」


「いや、探さなくても一発で分かるよ。」


「え!?それはどういうことですか??」


◈アルファス、聞こえるかい?


◈灯生殿、聞こえておる。


◈殿って!まぁいいや、彼らがどこにいるかわかるかい?


◈もちろん。6階にいる。だが認識阻害で分からなくしているようだ。


◈わかった!ありがとー!


◈そういえば灯生殿。お主は体内に何を飼っているのだ?


◈ん?何のこと?


◈いや、なんでもない。大体魔力は回復した。いつでも戦えるぞ。


◈そうか!よかった!それじゃ、また呼ぶよ。ていうか、普通に出てきていいのに。


◈いや、さすがにモンスターのままでは。


◈それなら魔法で何とか出来るけど?


◈なぬ!?そんな魔法知りませんぞ!!ぜひお願いしたい!!


◈わかった! スキル『隠蔽変化』をアルファスに付与!


スキルを付与した瞬間、ピカーンと光ることもなく、俺の体内から分裂した感じで人間型アルファスが出てきた。


「おぉ!これはなんとも!変な感じだ!灯生殿、感謝する!!」


「ひなりさん、この人は誰ですか!?」


「あれ?アルファスさん?ですか?」


「セリーヌにはわかるのか!まぁ同じモンスターだもんね!」


「え!?このマッチョで妙に顔が整っているこれがあのスライムなんですかー!?」


「ルーナ!?そんなこと言わない!失礼だぞー。」


まぁ俺も思った。ルーナが先に言ってくれたおかげで言わなくて済んだ。

まさかこんなイケメンマッチョになるとは・・・。


「一応言うけど、こちら、アルファス君です!スライムのままだと何かと不便だと思って人間?みたいにしました!それじゃ、生徒のいる教室も分かったし行きますか。」


「え!?いつ分かったんですか!?」


「アルファスに聞いてだけど・・・。」


「まぁあなたも意外とやるじゃない!!」


なんだその対抗心は。


「ルーナ嬢には敵いませんよ!!」


ルーナ嬢ってそんなことでルーナが・・・。


「アルファス、わかってるじゃない!!」


あぁルーナが変な方向に・・・。まぁ大丈夫だろう、と思うことにした。


「それじゃ気を取り直して生徒を迎えに行くよー!」


俺たちは6階の教室へと向かった。




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