目次
ブックマーク
応援する
いいね!
コメント
シェア
通報

15 タンリックの訓練場


アーロがいる訓練場はミンチェスター邸の少し離れたところにあった。


「あ、そういえばあのスキルを試していなかった、ここなら思いっきり試せそうだ!」


とういうのも、ドミルコのダンジョンでグロウガーゴイルを倒した際に、戦利品の中にあった本『空への探求を追うものへ』。読むとスキル『跳躍空歩』というものを手に入れたが試していなかったのだ。

名前からしてジャンプ力が上がるとかだと思うんだけど。まさか空を飛べたりなんてできるわけないよな。

まぁ試してみるか!


スキル『跳躍空歩』!


俺は思いっきりジャンプした。サリヴァンが見渡せるくらい飛んでしまったことにかなり驚いた。


「これは飛びすぎだわー。ってかこれ、どうやって降りるんだ??」

「しばらく止まったままなんだが、まさかこのまま歩けたり・・・。」


「できるんかい!!??」

思わず自分にツッコんでしまった。空中を普通に歩ける、だと!?地面を歩いているような感覚。

ということは、このまま前に向かってジャンプすると・・・。


あぁうん、わかっていた。すっごい速さで前進してる。すごい顔になっていそう。

これはどうやって止めるんだ??

止まれ!!あぁ、止まった。止まれと思えば止まるのか。

ということは下に向かってジャンプすると・・・。下降できた!!

これはコツをつかむのに時間がいるなぁ。マスターすれば自由に空を飛ぶことができる。

時間もあるし少し練習して行こう!!


しばらく練習して少しぎこちないがそれなりに空を飛べている。

それにジャンプ力の制御もできるようになった。加減が分かれば簡単だった。

これでリアの下に向かおう。


俺はスキル『跳躍空歩』でリアのいるタンリックの訓練場へと向かった。

このスキルを使えばあっという間に着いてしまった。


「リア!がんばってるかー?」


「ご主人様~!ばっちり練習してるにゃ~!」


「タンリックさん、リアはどうです?」


「やはり獣人ということもあって動きが素早いし双剣も使いこなれている!いい感じだ!」

「なんせ俺以外、相手にならなかったんだからな!」


あのボロボロの人たちはタンリックの生徒だろうか。

リアにやられたのかな。そんなにリアって強かったっけ?


「あのー、俺も手解てほどきをして欲しいんですが・・・。」


「おう!いいぜ!武器はあるかい?」


「あー、はい!これで!」


「それ、初心者用の剣じゃねぇか!?そんなんで大丈夫か??」


「あー大丈夫だと思います!一応、スキルを付与してあるので!」


「そうかい!それならリアの嬢ちゃん、ちと休憩だな!」


「わかった!ご主人様~がんばれにゃ~!!」


「いつでもかかってきな!!」


「それなら!!」


スキル『跳躍空歩』!

距離を詰めて攻撃!!剣で交わした・・・この速さ、受け止めるか。見えているのか。

それならば!!死角を突くまで!これも受け止めただと・・・これも見えているのか。

武器は大剣、どこかに隙が出来るはずだ!見極めろ!

攻撃を当て続けて様子見といこうか。


大剣とこの初心者用の剣じゃが悪いか。まぁ、スキル『不死身』を付与している時点で分が悪いも何もないのだが、大きさと威力では大剣の方が勝る。

ならば、これはどうだ。

剣にスキル『跳躍空歩』を付与。タンリックに向かって投げる。

うん、交わしたな。その隙にナイフで狙う!!

よし、これも交わした。剣よ、タンリックの喉元で停止だ!

勝負ありだな。


「わぉ!俺の負けだ!剣を操作できるとは、これもスキルか?」


「まぁそんなところです!お手合わせありがとうございました!!」


「こちらこそ!いやぁ、負けたのは久々だよ~!!」


「兄ちゃん強ーなーおい!」


「タンリックさんこそ!死角も狙ったのに受け止めるとは思いませんでした!」


「ご主人様~!おじさん!訓練場がボロボロだにゃ~!どうするにゃ~!」


「あぁ・・・戦いに夢中になりすぎて・・・俺が直すよ・・・。」


「すまんすまん!俺も久々にやりがいがあったもんでよ~!」


スキル『創成生造』!ゴゴゴゴゴゴー!!ピカーン!


「わぉ!元に戻った!これも兄ちゃんのスキルか!?」


「まぁそんなとこです!」


「ご主人様はすごいにゃ!!」


「こりゃ、ネルビアが一目置くわけだ!」


ちょうど終わったところに銀髪のメイドさんが顔を出した。


「みなさん夕食のお時間です。屋敷にお戻りください。」


「わかりました!ありがとうございます!!」


「おじさん達は??」


「俺たちは家族がいるから家に帰るよ!また明日な!リアの嬢ちゃん!」


「また明日!おじちゃん!」



「メイドさん、ここまで歩いてきたんですか?」


「えぇ、走って来ましたけど・・・。」


「え!?走って!?」


「それじゃ3人で屋敷に戻ろうか、俺の下に集まって!」


「は、はい。」


テレポート!屋敷の入口に。


「こ、これは!?魔法ですか!?」


「まぁそんなとこだよ!」

「それじゃ夕食に向かおう!!」


今夜の夕食も豪華だった。にしても今日はいろいろありすぎて疲れた。

夕食の後、すぐにぐっすり眠ってしまった。


この作品に、最初のコメントを書いてみませんか?