「灯生様、見えてきました。石造りの城が真ん中に見える町、あれが魔法公国 サリヴァンです!」
「なかなか重々しい雰囲気ですね。」
「サリヴァン魔術学校のために創られたと言ってもいいくらいですから。」
「それで・・・学校に着きましたら校長に会っていただきます。」
「え、校長に、ですか??」
「えぇ、もろもろ挨拶を、と。」
「明日、兄が案内させていただきますので、今日はゆっくりしてください。」
「そ、そうなんですね・・・、お兄さんが。わかりました。」
そうこうしているうちにサリヴァンの門を抜け、町へと入った。
「町並みが色鮮やかですね!」
「魔道具の店がいろんなところにあるにゃ~!」
「鍛冶場もあるかな。」
「アーロ様。鍛冶場もご用意しております。」
「とびきりの方をご紹介いたしますよ、同じドワーフ族です!」
「そ、そうなんですね!ありがとうございます!」
「灯生様、まずはこちらに滞在する宿をご案内いたします。」
「わかりました!」
コルビアに道を案内してもらい、宿についた。
ついたのはついたのだが・・・。
「宿?ですよね?」
「はい!私どもミンチェスター家の家でございます!」
「えぇ!?実家、ですか?いいのですか?」
「はい、もちろんでございます!そう申し付かっておりますので。」
「そ、そうですか・・・。」
いやぁそれにしてもでかい屋敷だ・・・。
俺もみんなも唖然としていた。
屋敷の門から入口にやっとたどり着いた。
屋敷の入口にはコルビアによく似た人物が立っていた。
「ようこそミンチェスター家へおいでくださいました。」
「私はコルビアの兄、ネルビア・ミンチェスターと申します。」
「初めまして、篭本 灯生です。よろしくお願いします。」
「ルーナです!」「リアにゃ!」「セリーヌです!」「僕はアーロ!」
「大所帯ですがよろしくお願いします!」
「ご丁寧にどうもありがとうございます!」
「長旅でお疲れでしょう。さぁさ中へ。」
「あ、その前に。コルビアさん、今すぐマトシリカに帰りますか?」
「えぇそのつもりでしたが・・・。」
「それじゃ送っていきますよ!」
「今から?私を?」
テレポート!マトシリカの路地裏へ。
「こ、これは!?転移魔法なのですか!?」
「まぁそんなところです!それじゃ、お元気で!」
ポカーンとしていたな。
おれはすぐに屋敷に戻った。
「ひ、灯生様!?今のは!?コルビアはどこへ!?」
「マトシリカに送りましたけど。」
「というと、転移魔法を使えるのですね!!こ、これは珍しい!!転移魔法が使えればどこへだって行ける!!あぁ憧れの魔法!!」
「す、すみません!取り乱してしまいました。さぁさ、中へどうぞ。」
転移魔法ってそんなに珍しいのか?
やはり目立つところでは使わない方が良さそうだ。
俺たちはミンチェスター家の屋敷にお邪魔することになった。