アレリオとシャリル達がこっちへやって来る。
「あっ! お疲れ様、お二人共やっと終わったのか?」
「で、どうだった? 悪墜ちしてアンデッドになって、相棒の彼もアンデッド化させた感想は?」
ジョージとミリカ達がそう言うと。
「ジョージ様に労いの御言葉を頂けたるとは身に余る栄誉にございます、私もアレリオも、ご主人様達には多大な感謝の念を感じております」
シャリルとアレリオ達は、床に両膝を付き頭を深く下げる。
シャリルは、片膝を上げ両手を胸に添える。
ジョージの労いに答え、次にミリカの方を向く。
「ミリカ様、我々の様な愚劣なる者に永遠の命を与えてもらい、自らの配下に加えて頂いたご恩決して忘れません・・・この上は御二方の手駒として更に身を粉にして働きます所存にございます・・・」
シャリルは二人に深い感謝の念を述べる。
「さあ、アレリオっ! 貴方も主様達に永遠の忠誠を誓いなさい」
「シャル・・・分かった・・・・・・」
シャリルが微笑を浮かべてそう言うと、アレリオは一言発する。
そして、片膝を上げ膝まずいた姿勢を取り両腕を前に出す。
その両手の掌の上には、鞘から抜かれた長剣が掲げられ。
それを、ゆっくりとジョージに差し出す。
「悪霊と不死の王たる我主達に未来永劫の忠誠をっ!!」
アレリオは騎士の誓いを立て忠誠を示す。
だが、ジョージは。
「何っ? 何コレッ! 何なのコレワ!?」
ジョージは慌てふためて、パニックに成ってしまう。
「ジョージ叙勲式よっ!」
そんな彼に対して、ひそひそとミリカは耳打ちする。
「は? じっじょっ叙勲式って?」
ジョージは叙勲式を知らないので、また慌て取り乱す。
「剣を受けとって上げて」
「剣をっ? 分かったミリカ」
ジョージも、ひそひそ声をミリカに返す。
「いいっ! ジョージ、受け取った剣を相手の肩に載せて、我ジョージと誰々は汝を騎士に任命する、って言えば良いのよ、誰々は神様とか信奉している存在ね」
ミリカは一から手順を教える。
「その後は、騎士として勇敢に戦え、とか常に主の為に死ぬ覚悟を、とか適当にアレリオに言って、後は剣を口付けさせれば良いのよ? 分かったわよね」
ミリカは、ジョージに叙勲式のやり方を人通り説明した。
「こうかっ?」
ジョージは剣を受けとり、アレリオの肩に載せる。
それから、ミリカに言われたセリフを言った。
「我、ジョージはミリカと共に汝アレリオを騎士に任命するっ! スケルトンの騎士として大勢の人間を血祭りにして君主たる我等の生け贄に捧げよ」
ジョージはアドリブを聞かせて、ノリで言いきった。
「ジョージ、誰々のところは神様の名前を言うところよ、神様や誰か偉い人とか第三者が約束事を守るか見届けるっていう」
ミリカはそう言うが、シャリルが。
「ミリカ様とジョージ様の御二方の存在は我等アンデッドに取って神にも等しい存在なので何も問題無いかと」
「そうっ、ならまぁ~~いっかあーーなあぁ、えへへ」
シャリルに神にも等しい存在と言われ喜ぶミリカ。
そして、ジョージは。
「じゃあなんだ? ミリカ、神様の名前つったって俺達はアンデッド、神様に逆らった存在なんだぞ」
ジョージは、ミリカにそう言って更に。
「邪神ゾーマや竜王の名前を言えばよかったのか? それともアンデッドらしく、ゾンビ映画の帝王ロメオとか吸血鬼の中の吸血鬼クリストファー・リーとかならよかったのか」
「あ~~んた~~ねぇ? そこはデスピサロとかミルドラースでしょうがっ! それにアンデッドの神様に相応しいのは、ホラー小説の女王アン・ライスか女吸血鬼を演じたイングリッド・ピットでしょっ!!」
「あの? 御二方・・・」
ジョージとミリカ達が口論する中、アレリオが気まずそうに声を掛けた。