『これは・・・俺の姿が?』
アレリオは異変に気付き、自分の両手をグローブとガントレットを外して見る。
すると、そこにあるはずの皮膚と筋肉がなかった。
『俺は骨だけに、スケルトンに奴等の仲間に成ったのか!?』
気が付くと、アレリオの周囲を鑑が囲んでいた。
『この姿は・・・俺の姿はスケルトンにっ! 俺も・・・アンデッドに・・・』
アレリオは鑑を見ると、そこに移っていたのは自分の鎧を着た骸骨だった。
骨だけの頭には、変色した淡い青色の癖毛の髪だけが生前同様に残る。
頭蓋骨の額の部分は、左部分に穴が空く。
その中は真っ暗になり、頭全体に所々ヒビが入っていた。
眼球の入っていない眼孔。
そこには、白目と黒目の様に、黒い真っ暗な眼孔の中に淡く青い光が輝いていた。
体は骸骨だけに成り、また鎧も変化していた。
鎧の色は、ねずみ色と紫色に染まる。
全体的には、装飾なども禍々しく変化していた。
長剣も、凶悪な印象を与えるフォルムに変化した。
『この姿になったと言うことは、大方あのアンデッド共が俺をスケルトンに変えたのか?』
現在の己の姿を考察するアレリオ。
『それはいい、この身がどうなろうと、だが、彼女は無事か無事ならいいが・・・』
自分の事より、アレリオはシャリルの無事を願う。
『はっ!? もしかしたら奴等は俺を使ってシャリルを処刑しようと・・・』
『ガタッ』
アレリオが考えた瞬間、背後から物音がする。
『アレリオ・・・貴方がアンデッドにっ!? 嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よーーーー』
変わり果てた、アレリオの姿を見た、シャリルは即座に逃げ出す。
『待ってくれぇーーーーシャルゥーーーー俺を置いて行かないでくれーーーー!?』
シャリルは走り、アレリオから離れて遠くに行ってしまう。
『そんなっ! シャル、俺はっ! 俺は君のために』
『酷いわよねぇ? せぇっかく貴方が彼女の為に命を投げしたのにねぇーー』
『だなっ! 酷い女だ、相棒を置いてきぼりにして自分だけ逃げ出すとは』
アレリオの後ろに、ジョージとミリカ達が現れる。
『貴様ら!! それ以上彼女の悪口を言うなら、俺が許さんぞ』
『チャキッ』
アレリオは二人に向けて長剣を抜く準備をする。
『だったら何だってんだ? あんな相棒を捨てるような女の悪口を言って何が悪いってんだ、あの女食って腹に入れようぜ』
『そうよ、一緒に彼女を追いかけて、あのか細い腕にしゃぶり付きましょうっ!』
ジョージとミリカ達は、シャリルを襲うのにアレリオを誘う。
『黙れ、アンデッド共がーーーー』
アレリオは長剣の柄を握り、一振りして二人同時に一刀両断する。
しかし、そこに居たのは両足を負傷し動けなくなっているシャリルであった。
『いやぁっ! アレリオッ! やめてぇぇぇっ!! こっ来ないでっ!?』
スケルトンと化してしまった、アレリオの姿を見て、ガタガタと怯えるシャリル。
『シャル・・・怯えなくていい、落ち着け』
『嘘よっ! そう言って私を襲って食べる積もりでしょうがっ!!』
アレリオは、怯えるシャリルを落ち着かせようと説得する。
『そんな積もりはないんだっ』
アレリオはそう言うが。
『じゃあなんで私の両足を斬ったのよっ』
『それは・・・あの二人のアンデッドが君の悪口を言うから斬ろうしてっ』
叫ぶシャリルに、アレリオは釈明する。
『下手な嘘をっ! なら何で私は貴方達アンデッドに囲まれているのっ!!』
シャリルの言葉に、アレリオは彼女の左右を見渡す。
そこには、ジョージとミリカ達が立っているのを見つける。
そして、自分を含むアンデッド達がシャリルを三角形の形に囲んでいた。
『何で? さっき斬ったのに・・・』
アレリオが、不思議がっていると・・・。