アレリオは夢を見て、唸されていた。
さっきの戦いでゾンビに完敗し、無惨な姿を晒した事を後悔する。
『シャル・・・済まない守ってやれなくて・・・あの時に、君を守る例えこの命に変えてもと君に違ったのに・・・』
アレリオはマルーンベアーと戦っていた時の事を思い出していた。
そして、シャリルと出合ったきっかけの盗賊団と戦った時の事。
家を飛び出した時の事を次々思い出していく。
燃えた村・・・最初は火事かと思っていた。
だが、小高く緩やかな丘の上に立つ教会。
そこから聞こえて来た、爆発音によって、村が何物かに襲撃されたのがわかった。
『あの時はどうせ一人で行っても返り討ちに遭うだけなのはわかっていた・・・だからといって村の人を見捨てることはできなかった・・・』
案の定たくさんの盗賊達がいた。
それも、自分の予想よりもかなり多かった。
そして、そこには一人の女性が立つ。
それは、奥にいる人質の為。
その身を盗賊達の慰み物として、差しだそうとする、美しく凛々しいシスターがいた。
『美しいっ!?』
その時、俺はシスターに一目惚れした。
彼女を救わなければと思い、俺は叫んだ。
「諦めるなっ」
そう言って、シスターに向かって叫ぶ。
すると、盗賊達はこっちに気づいて罵声を上げた。
俺は盗賊達を挑発する。
「こっちだ間抜け」
その言葉に挑発された盗賊達の内、二人はこちらに攻撃を仕掛けて来る。
俺はそれを簡単に切り捨てる。
やっぱりな、こいつらただのチンピラだ。
何の訓練も受けてないのが丸分かりだ。
こいつら多いな、二人切り捨てたのにまだいやがる。
盗賊達は後十二人ほどいた。
なので、だったら俺はハッタリをかます。
「おいっ! お前ら援軍が来るぞ早く逃げなくていいのか」
デカイ声で、俺はハッタリをかます。
すると、盗賊達は怒り狂い襲いかかって来る。
俺は盗賊達の攻撃を避けながら戦い、二人の盗賊を倒しつつ、シスターに近づく。
その側まで来ると背中をシスターに預ける。
そうして、彼女と供に盗賊達と戦う。
そして、盗賊達は数を減らし後もう少しでという所で・・・。
盗賊達の援軍が現れた。
奴等は拳銃を一発撃ち、こちらに銃口を向ける。
そして、シスターは俺にこちらに援軍はっと聞くので、俺は。
「居ねぇよ、ハッタリだ」
と、一言だけ答えた。
仕方がない。
そう言えば盗賊達が逃げ出すかもと思って一か八か試したんだからな。
の筈が・・・こちらにも援軍が来る。
隣り町から兵士が来たのだ。
奴等はそれを見ると、尻尾巻いて逃げて行きやがった。
そして、奴等は一人残らず兵士に殺された。
その後、シスターはさっきのはハッタリだったのかと文句を言ってきた。
「仕方ないだろ、あの状況じゃあ」
そう言って、俺があたふたしていると。
ふふっと微笑んで、彼女は有り難うと礼を述べた。
その後は、シスターである彼女はシャリルと名乗り。
色々あって、一緒に旅をすることになった。
そして、俺達はこの不死者のさ迷い歩くこの迷宮に来たのだ。
『シャル、君は無事かな、俺はあのアンデッド共に、君を守る為に君だけは逃がすよう頼んだ』
ジョージとミリカ達に敗北した彼は、そう約束した。
『だが、あいつらアンデッド共はきっと君を今頃殺しているだろう・・・あの時、俺にできるのは、君が人質の女性や子供達を守る為にその身を差し出そうとしたように命を差し出すだけだ・・・』
アンデッドが約束を守る筈が無い。
それは、俺も理解していた。
『俺も命を差し出した、俺にできることはあの時は・・・もうあれしかなかったんだっ! グッ・・・グスッ・・・』
俺は悲しくなり、涙を溢す。
『マルーンベアーと戦いの時、例え命を差し出そうと・・・君を守るって言ったよな・・・それだけはやったんだ・・・だから・・・許してくれ・・・』
俺は心の中で彼女に謝る。
『すまない・・・本当にすまない・・・シャル』
俺は涙が溢れて来る。
胸が苦しい・・・。
だがその時、唇に何かが触れる。
それは柔らかく女性の唇のようだ。
その直後、口の中にいい味のする物が流れて来る。
それは、すごくおいしい冷たい水の様でもあり。
反対にいい匂いのする暖かい空気の様でもあり。
舌や肺と喉や胃を満たす。
すごく気分が良い、体も軽く成って来る。
『ん! 体が軽すぎる? 何? なんだ・・・これは・・・・・・』
アレリオは、体中全体に妙な違和感を感じた。