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連載 【イモータル・パーティー】ゲーム好きゾンビの俺と吸血鬼の彼女で一緒にアンデッドの軍団を作って世界の滅亡を目指す~~
連載 【イモータル・パーティー】ゲーム好きゾンビの俺と吸血鬼の彼女で一緒にアンデッドの軍団を作って世界の滅亡を目指す~~
デブにゃーちゃん
異世界ファンタジー冒険・バトル
2025年04月15日
公開日
7.5万字
連載中
 目をさますと自分はゾンビだった。  取り敢えず当てもなくさ迷い、人間や他の獲物を食い殺し、この迷宮のような洞窟の脱出を目指す。  ゾンビ好きな方とヴァンパイア好きな方向け。  タイトル通り、アンデッドの男主人公&女主人公の話です。  仲間は感染や魔術を行使して、悪堕ち、券族化、血族化、魔族化【アンデッド化】させて増えて行きます。   【本作品はR15版です】。  なろう版は戦闘がサクサク進む感じで、ネオページ版は戦闘が激烈な感じで、ネオページ分岐……させる予定かもです……その場合、なろう版は□、ネオページ版は■~~と、各話タイトルに付けます。  ノクターン版は、エロで過激にしますが、の付いている話は向こうだと、H回になります。 週一、日曜日、何話か投稿?。 面白かったら~~で、良いので。 ブクマ&ポイント&レビュー&感想~~などを、お願いします。 作者のモチベが上がるのでね。 (´Д` )️

第1話 気がついたら、ゾンビだった?


 ここはどこだろう、体がだるい、めまいがする。


 だだっ広い空間に俺はいた。


 ここはどこだ。


 再び考える。



 だが分からない。


 分かっている事実は、今居る場所が暗く、広い洞窟の中ということだけだ。


 ん……何だか、肉の腐ったような臭いがするが、それに左目も見えない。


 俺は自分の体を見ると。



 シンプルなデザインの黒い服とズボン、確か学生服を着ていた。


 少しボロくなっているが。


 だが、それより重要な俺の体は……身体中全身が腐りきっていた。


 頬をさわってみると、顔も体も全てボロボロ。


 特に、顔の右側から鼻と口にかけては特にひどい。


 頬から口の右半分は裂けていて、中に生えている歯が剥き出しになって見えていた。


 頭部左側は、額に切り傷が出来て、脳が少し肌の間から見えていた。

 右目は、瞼の当たりが傷付いていたが、どうやら失明はしていないようだった。 


 俺は今………ファンタジーゲーム&ホラー映画のモンスターであるゾンビになっているのか。



『ガタッ!』


 物音が、音の方向に目を向けると、ゾンビが二体現れた。


 とっさに身構えるが。



 どうやら、同じゾンビ同士なのか分からないが、こちらには攻撃して来ない気らしい。


 そうだ……話かけようとしたが俺は喋れない、何故なら口がボロボロになっていたからだ。


 困った。


 どうするべきか、取り敢えず二人について行こう。


 右は、灰色に塗装された、中世の鎧と兜を纏った騎士ゾンビ。


 左側に居る奴は、黒い尖り帽子と、緑のローブを纏った女性の魔法使いゾンビだ。


 今さらだが、ここはファンタジーの世界なのか、何だか元いた世界と違うような気がするが。


 そう考えるていると、女性魔法使いのゾンビが勝手にノロノロと動き出す。



「ああぁぁぅぅぁぁぁぁああ」


 掠れたような声を上げ、何処かへ向かおうと歩き、それに続く騎士のゾンビ。


 自分もついて行こう。


 暫く歩いていると前方から人影が現れた。

 一人だ。


 よく見ると、それは人間、それも僧侶だ……まだ若い。



「ひっ!?」


 向こうは、こちらに気づいたのか、杖を握り呪文を唱えようとしてくる。


 そこに、騎士ゾンビが腕に噛みついた。



「ガああぁぁっ!」


「ぎいあぁぁぁぁ~~やめろぉーー!?」


 騎士ゾンビに噛まれた僧侶は、洞窟中に響く程の大きな悲鳴を上げる。


 そんな、泣きわめく彼へ更なる追い打ちを掛けるように。



「ああぁぁあぁぉ」


 魔法使いゾンビが僧侶の左足に絡み付き、そして腹に噛じりつき内臓を食べる。

 腹から血が吹き出した僧侶は、口からもゴボゴボと血を吐き出し、喉に垂らす。



「神よ……お助け……を…………」


「ああおぅっ!」


 僧侶が血を吐き出しながら、苦し気に呟くと、最後に俺が奴の喉に噛みついた。

 数分後、僧侶を食うのに飽きた俺たちは、ブラブラと僧侶の体の周りを彷徨いていた。


 すると、僧侶の死体が突然、起き上がり出す


 かつて、僧侶だった死体は口を開く。



「ヴオォォ~~」


 奴も、仲間になった。


 次は四人で進む。


 すると、少し赤みがかった金色で、長い髪を揺らす女の子が歩いている姿を見つけた。


 どうやら、警戒しながら歩いているらしい。

 女の子が、こちらに気づき目が合った。



「そんなっ! 何でっ!?」


 そんな……一瞬だけ俺の脳裏に、こいつを知っているような感じがした。


 だが、それは直ぐに食欲に掻き消された。


 だが、女の子は素早く走るから、直ぐに逃げられた。


 しまったっと思うが、そこに新たな人間が二人現れた。



 一人は焦げ茶色の癖っ毛髪で、南欧風をした顔立ちに、カーキ色に塗装された鎧を纏う。


 もう一人は、若い女性で明るい金髪のウェーブパーマヘアで、肩から髪を垂らす。


 青と白い法衣を纏う服装から、彼女は僧侶のようだ。



「下がってくれっ! シャル」


「アレリオ、貴方も前に出すぎて油断しないでっ!」


 剣士と女僧侶はそう言って、ゾンビの群れを前に武器を構え。臨戦態勢を調える。



「ああ、わかっているって」 


 そう言うと、剣士は十字長剣で、騎士ゾンビの首を勢い良く切裂き、撥ね飛ばす。


 首を跳ねられ、崩れ落ちる、騎士ゾンビ。


 そして、女性僧侶が更なる攻撃を繰り出す。



「神の裁きをっ!」


 女性僧侶が叫び、メイスで魔法使いゾンビの頭部を潰す。

 そして、僧侶ゾンビが二人にかかっていく。



「ああぁ」


「雑魚ゾンビが邪魔だあーーどけっ!!」


 剣士は、襲い掛かる僧侶ゾンビを蹴り飛ばし、女性僧侶が追い討ちに魔法を放つ。



「元は同じ神の信徒とはいえ、今はゾンビ……やっつけなければこちらが殺られる、愚かな魂よ安らかに眠りたまえ、サンダーショット」


『ガシャッ!』


 一瞬の内に光が飛び、派手な音が僧侶ゾンビにあたる。


 そして、僧侶ゾンビは黒焦げになり後ろに倒れる。


 次は俺が光を浴びる番だなと思い、覚悟を決め腹を括る。


 その時、奇跡が起きた。



『ガラガラッ!!』


 右側にある壁が派手な音と共に崩れ、新たなゾンビが数体も土煙の向こう側から、ノロノロと歩いて現れる。



「くっ! 音と臭いで集まってきたか? 逃げるぞ、シャル」


「ええっ! 行きましょう」


 剣士と女僧侶は、ゾンビ達に囲まれる前に素早く撤退して行ったので、助かったと俺は思った。


 だんだん小さくなっていく二人。


 カーキ色に塗装された鎧の剣士&青と白い法衣を着る女性僧侶たち。


 その後ろ姿を眺めながら考える。


 いつか、必ず今日の復讐を。

 よくも、俺のゾンビ仲間を。


 今度見つけたら、丸噛じりにしてやると俺は胸に誓った。

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