本作の物語は、春の香りただよう桜織市さくらおりしを舞台に、さまざまな“霊と人の縁”が交差していきます。舞台には、恐怖とやさしさ、記憶と祈りが混ざり合う場所が点在しており、読者の皆さまを幻想的な世界へと誘います。

⸻

■ 桜織市さくらおりし

桜の名所として知られる地方都市。

町の中心には桜織神社さくらおりじんじゃがあり、春には桜祭りが開催される穏やかな街並みが広がります。

しかし、市外れには廃病院や古いトンネルといった“異界の入り口”も点在し、目に見えない“何か”が静かに息づいています。

• 雰囲気：日常と非日常が交差する、どこか懐かしくも不穏な空気。

• 役割：主人公たちの日常の拠点であり、物語の中心地。

⸻

■ 桜織旧病院さくらおりきゅうびょういん

桜織市さくらおりしの外れにぽつんと佇む、廃墟となった旧病院。

昼でも薄暗く、廊下には足音が反響し、誰もいないはずの気配が漂います。

かつて何があったのか――それは、誰も口にしません。

• 雰囲気：冷たく、時間の止まったような場所。

• 役割：物語の“始まり”となる場所。不気味さと切なさが入り混じる舞台。

⸻

■ 桜織温泉郷さくらおりおんせんきょう

桜織市さくらおりしから少し離れた、山あいの静かな温泉地。

川沿いに古い旅館が並び、春には湯船に桜の花びらが舞い、夜は提灯の灯りが幻想的な空気を醸し出します。

この地には、ある“祈り”が込められた慰霊碑が静かに建っており、霊たちの穏やかな眠りを見守っています。

• 雰囲気：和の風情と霊的な静けさが同居する、癒しと不思議の場所。

• 役割：登場人物たちの心を癒し、過去や縁と向き合う場所。

⸻

― 世界観のキーワード ―

• 結ぶ：霊を“祓う”のではなく、“縁を結ぶ”というアプローチ。

• 祈り：人知れず捧げられた祈りが、今もどこかで誰かを守っている。

• 季節感：舞台には「春」が象徴的に描かれ、桜の花や風が物語に優しさを添えます。

⸻

あなたの心にも、そっと“縁”が結ばれますように――。