推しと家が超近距離。サボった
元々少年ジャムプ作品でも正ヒロインがいようと、妄想待ったナシなので腐男子兎田山は挫けないのだ。
時間からは早いが、今夜のことを考えると早目の準備が良さそうだ。
難しい料理はできないが、肉じゃが、カレー、ホワイトシチューをローテーションしながら、スーパーのカツを卵でとじたりするくらいの腕である。
高校生男子としては及第点だろう。
冷蔵庫からシチューを取り出して、オンライスで食べる。
それから兎田山はひきわり納豆をご飯で巻いて、作った納豆巻は夜食用だ。追加でふりかけご飯をおにぎりにして、大型水筒にたっぷりと水を入れる。
オシャレにサンドイッチと洒落こんだ時もあったが、腹持ちしない上に手作りのどこかで失敗したので、それからは俄然お米支持派になった。
兎田山は、シャワーを浴びて、アウトドアに出かけるような服装に着替えた。今夜は新人教育だと聞いている。
装備を確認すると、アラームを付けて仮眠に入った。
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三時間後、兎田山は動き出した。
夜食と水筒が入ったリュックに、剣道部のような筒のバッグを背負う。
学校とは反対側へ徒歩十分。
そこには、ショッピングモール建設中の立て札。
工事中のシートに覆われた巨大なアーケードを潜る。警備員に通行パスを見せると、無言で校門ほどの分厚い入り口が開けられた。
そこは、整備された道路に食べ物の露店、武器屋、防具屋と怪しげな店が立ち並ぶ。
ちょいちょいと店を冷やかす兎田山に、顔なじみの店長たちが声をかけてきた。
ここは、政府が極秘裏に設立した建物。
五年前、突如生まれた闇のゲートは異世界に通じ、魔獣が溢れて政府を震撼させた。
ゲートの魔獣には、自衛隊の攻撃も通じず。
被害は三百名以上に及び、その最中に千人に一人の割合で異世界に適合する『ジョブ』と『スキル』を持つ人間が発見された。
それから、自衛隊、警察官などから資格を持つ人間をあぶりだしたが適合者は少なく、一般人にも秘密裏に検査が進んだ。
兎田山は、そんな適合者の一人である。
「兎田山〜新人連れてきたぞー」
「
声をかけられて、ぐるりと振り向くと――そこには先程見た顔が。
「なっななななぜに推しと猫宮さんが?!」
「なんでてめーがここにいやがる!!」
一般人が見てはいけない秘密の扉の先で、三人は再会した。