「背中のお母さん」とは
日本中の小中学校で語られた
文字通り母親の姿をした怪異、怨霊。
ある日、とある夫婦が
些細なことで口論となり、
やがてそれは激しい乱闘となった挙句、
夫は妻を〇害。
その遺体を庭に埋めてしまう。
重大な罪を犯した夫は、
事件の発覚を恐れ、眠れぬ日々を過ごす。
しかし、夫婦にとって一番身近な存在である
幼い息子は母親がいなくなったことに対して
何も尋ねてこない
精神が極限にまで達してしまった夫はある日、
息子にこう問いかける。
「お母さんがいなくなったのに
どうしてお前は何も聞いて来ないんだ?」
すると息子は怪訝な表情で「じゃあ、聞くけれど…」と言った。
「どうしてお父さんは、お母さんをずーっと背中におんぶしているの?」