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第5話 背中のお母さん

「背中のお母さん」とは

日本中の小中学校で語られた

文字通り母親の姿をした怪異、怨霊。


ある日、とある夫婦が

些細なことで口論となり、

やがてそれは激しい乱闘となった挙句、


夫は妻を〇害。

その遺体を庭に埋めてしまう。


重大な罪を犯した夫は、

事件の発覚を恐れ、眠れぬ日々を過ごす。


しかし、夫婦にとって一番身近な存在である

幼い息子は母親がいなくなったことに対して

何も尋ねてこない


精神が極限にまで達してしまった夫はある日、

息子にこう問いかける。


「お母さんがいなくなったのに

どうしてお前は何も聞いて来ないんだ?」


すると息子は怪訝な表情で「じゃあ、聞くけれど…」と言った。


「どうしてお父さんは、お母さんをずーっと背中におんぶしているの?」

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