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第4話 見越し入道

「見越し入道」とは

別名、「見上げ入道」とも呼ばれる

僧侶の姿をした怪異。


「古今百物語評判」と言った

江戸時代の怪談本や随筆文、


日本各地の民俗資料などで

確認することができる。


夜道を歩いていると

突然、見知らぬ僧が現れ、

驚かされるのだが


見つめれば見つめるほど、

その僧侶は巨大化し、


やがて天を衝くような

巨人へと変貌するという。


そのまま見つめていれば

命を奪われる危険もあるが


「見越し入道見越した」


と呪文を唱えると

追い払うことができる。


その正体は年を経たイタチ。


巨大化する僧侶の幻影に

人間が魅せられているうちに


その喉元に食らいつき

生き血を啜りつくす。

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