「見越し入道」とは
別名、「見上げ入道」とも呼ばれる
僧侶の姿をした怪異。
「古今百物語評判」と言った
江戸時代の怪談本や随筆文、
日本各地の民俗資料などで
確認することができる。
夜道を歩いていると
突然、見知らぬ僧が現れ、
驚かされるのだが
見つめれば見つめるほど、
その僧侶は巨大化し、
やがて天を衝くような
巨人へと変貌するという。
そのまま見つめていれば
命を奪われる危険もあるが
「見越し入道見越した」
と呪文を唱えると
追い払うことができる。
その正体は年を経たイタチ。
巨大化する僧侶の幻影に
人間が魅せられているうちに
その喉元に食らいつき
生き血を啜りつくす。