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6 1日目ー羞恥の行き先は浴室

(……やっと……)


でも――


「れーちゃん、そのままでいいよね?」

「……は?」

「だって、どうせお風呂入るし。近いし、寒くはないでしょ?」


その一言に、血の気が引いた。


(……まさか……)


「裸のままで、トイレ行こう?」


俺の体が、ピクリと硬直する。


「っ……」


凛が俺の腕を優しく引いた。

でも、足が動かない。


「れーちゃん?」

「……っ、無理だろ、そんなの……!!」

「どうして?」

「っ……!!」


理由なんて、言わなくても分かるだろ……!!

なのに、凛は本当に分からないみたいな顔で首を傾げる。


「誰も見てないよ? 僕しかいないし」

「……だから、それが嫌なんだよ!!!」


叫んだ。なのに――


「でも、れーちゃん、さっきお願いしたよね?」


(……!!)


「『トイレに行かせてください』って」

「……っ!!」

「だったら、僕の言う通りにしないとね?」


(……っ……!!!!!)


言葉が、出なかった。これが、こいつのやり方なんだ。

選択肢を与えているように見せかけて、

結局は 「どの道を選んでも、支配される」 という結果に持っていく。

凜はいつからこんな風だったんだろう。わからない。


「大丈夫、僕しか見てないよ」

「……っ……」


俺はもう、何も言えなくなっていた。

ただ、裸のまま――凛に手を引かれ、

トイレへと歩かされるしかなかった。



「すっきりした?」


俺は何も答えなかった。

トイレを終えて戻ってきた俺は、完全に 抜け殻のようになっていた。

羞恥と敗北感で、頭が真っ白だった。


(……終わった……?)


そう思ったのに――


「じゃあ、次はお風呂ね」


まだ、終わらない。


「……っ、もういいだろ……!!」

「ダメだよ、ちゃんと綺麗にしないと」

「っ……!!」


抵抗する間もなく、俺は再び凛に引かれ、浴室へと連れて行かれた。

浴室の扉が閉まる音が、やけに大きく響いた。


(……最悪だ……)


俺は、濡れた床の上に裸のまま立たされていた。


「れーちゃん、座って」

「……っ、何で……」

「ほら、お湯かけるから」


凛がシャワーの温度を確かめながら、微笑んでいる。


「自分でやる……!」

「ダメだよ、力抜いて」


そう言って、凛が俺の肩を押した。

抵抗する気力なんて、もう残っていなかった。

俺はされるがままに浴槽の縁に腰を下ろす。


「はい、あったかいよ」


温かいお湯が頭からゆっくりとかけられる。


(……なんだよ、これ……)


優しくされているはずなのに、ゾッとする。

俺は今、何もかもを奪われた状態で――凛に「世話をされている」。

確かに、普段から凜は俺の世話を焼くことは多かった気はする。

でも、ここまで行くと既にその域を超えている。


「れーちゃん、気持ちいい?」

「……っ……」


言葉に詰まる。


「力が抜けてきたね」


そう言いながら、凜はシャワーをフックにかける。

ボディーソープを纏わせた凛の手が俺の肩を撫でる。


「……触んな……!」

「ふふ、ごめんね。でも、れーちゃんの体、綺麗にしないと。ね?」


凛の手がゆっくりと下へ滑る。


(――やめろ!!)


頭の中で叫んでも、口に出せなかった。


「大丈夫、全部僕が気持ちよくしてあげるから」


そう言って、凛の手が俺の脚の間に触れた。

濡れそぼる股間へと指が滑ってくる。


「っ……やめ……っ……!!」


全身がビクッと跳ねる。


「暴れないで、れーちゃん」


穏やかな声。

まるで、俺が怖がるのを 優しく宥めるみたいに。


「……っ、ふざ……け……」


叫ぼうとしたのに、喉が震えて声にならなかった。


(やべぇ……!!)


やめろって言わなきゃいけないのに、言えない……!!

じんわりと撫でられる感触に、体が無意識に反応する。

ぬるりと指が俺のものを扱きながら、握りしめた。

背中と凜の身体がぴったりとくっついており、逃げ場はない。

こんな状況だというのに、俺のものはどんどんと膨らんでいく・


「ほら、気持ちよくなってきたでしょ?」

「っ……ちが……っ!!!」


否定しようとするのに、ダメだった。


凛の指先が、ゆっくりと刺激を与えるように動く。

最初はじんわりとしたものだったのに、少しずつ力が加わり、確実に熱が集まっていく。


「ふ、っ……!ぁ」


(……っ……やめろ……!! やめろ……!!)


けど、逃げられない。

足が力なく開かされる。

凛の手が、俺の一番敏感な部分を優しく弄った。


「れーちゃん、気持ちいいね」

「っ……!! や……だ……!!」


俺の意志とは裏腹に、息が乱れる。

下腹がじんじんと熱を持ち、理性がじわじわと削られていく。


(……っ……ダメだ……っ…………!!!)


でも、体は逆らえない。


「ほら、もう我慢できないよね?」


優しく、囁かれる。


「僕の手で、気持ちよくなって?」

「っ……!!!」


頭が真っ白になった。

瞬間――射精した。しかも随分と早い。

とろ、と俺が出したものが凜の手を汚していた。


「……っ、く……ぁ……!!」


全身が痙攣する。

凛の手の中で、俺は 限界を超えさせられた。

荒い息が浴室に響く。

全身がだるくて、力が入らない。


(……こんなの、どうすれば……)


友達同士で抜きっことか、AV鑑賞とかのレベルではない。

凜の手によって欲を与えられ、凜の手によってそれは発散された。

俺の意識とは関係なく。


「れーちゃん、すごく可愛かったよ」


囁くような声が耳元に落ちる。

そのまま凜が俺の耳へと口付ける。


「……っ……」


震える手で、顔を覆う。


「もう、僕なしじゃダメだね」


凜が嬉しそうに俺の後ろでそう言った。

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