ソウスケが帰り、眷属達全員と昼飯を食べた後、俺の影小鬼を使って新しくやってきた者達と軽く戦いの練習をすることにした。
何せ新しくやってきた者達は戦闘経験はない。ショッピングモールに囚われていた者達は初戦闘はオークとホブゴブリンの襲撃だったからな。
本来は順を追って鍛えるべきなのだ。
彼女達が各々武器を持ったのを見て声をかける。
「危なくなったら他のベテラン達が手助けしてくれるから、気楽にな」
「「「はい!」」」
威勢の良い返事を聞いて、俺は離れたところまで歩く。
新しくやってきた眷属達の人数は14人、近接系スキルを持っているのが9人と魔法系スキルを持っているのが5人。
近接が多い分ある程度余裕はあるはずだ。
眷属達から離れた俺は新人眷属達を見る。後方にはベテランの眷属達が武器を持って待機している。
俺は影に魔力を送った。
「それじゃあ始めるぞ!」
「「「はい!」」」
影から影小鬼が20匹這い出てくる。
「奴らに攻撃しろ」
そう命令すると、影小鬼たちは新人眷属たちに走っていった。
まず魔法組の眷属達が動いた。
細い雷が轟音を鳴らして影小鬼を数匹倒す。世にも珍しい横に落ちる雷だ、射程も長く威力も十分。
(あれはむしろ近接として動いたほうが強いか?魔法系スキル持ちなら俊敏もあるだろうし。魔法を使ってから直撃までも早い…あれが敵としてきたら脅威だな)
普通の雷とは違い、物に引き寄せられることなく自分が狙った方向に真っ直ぐに放たれる。
右手に軽量武器で左手から雷…考えるだけでも面倒くさそうだ。
他にも砂魔法という初めて見る魔法もある。
これは砂漠にあるようなサラサラな砂を生み出して操るものだが、水魔法と近い。
ただ水魔法と違うのは、流動性を持ちながらも質量があり、攻撃にも防御にも応用が利く点だ。
足元に大量の砂を撒いて動きを鈍らせたり、砂を巻き上げて視界を悪くすることもできるだろう。
あとは氷魔法と火魔法だな。相変わらずこちらも強力だ。
思っていたよりも魔法組が影小鬼を倒していくので、追加で20体召喚する。先程と同じように命令して襲わせる。
そして影小鬼達が近接組に辿り着いて襲いかかった。
近接組は最初こそ動きがぎこちなかったが、徐々に武器の扱いに慣れてきたのか、影小鬼を捌けるようになってきた。
「はっ!」
元ドワーフの眷属が力強くメイスを振るい、影小鬼の頭を粉砕する。
元獣人の眷属が短剣を構えながら、俊敏な動きで影小鬼の首を切り裂く。
元ハイヒューマンの眷属も他の人の手助けをしながら倒していっている。
(この調子なら意外と早く戦力として使えそうだな。恐怖心が薄れているのがやはりデカいか)
そんなことを考えていると、全て倒しきった。
すると魔法組の一人が俺のほうを見て言う。
「ヒロキ様、もう少し強い敵と戦ってみたいです!」
「ほう」
意欲的な姿勢は良いことだ。俺は少し考えてから頷いた。
「いいだろう。それじゃあ強化版を出してやる」
俺は"筋肉成長"で影に魔力を送り込むと、通常の影小鬼よりも筋肉が発達していてゴツい影小鬼が十数匹這い出てきた。
「奴らに攻撃しろ」
そう言うと影小鬼達が走っていく。筋肉が発達している分少し速い。
魔法組の眷属たちはすぐに動き、雷や火球、氷塊が飛び交う。
しかし、強化された影小鬼たちは通常のものとは違い、攻撃を受けても怯まずに突っ込んでくる。
そしてすぐに近接組との交戦が始まった。
「クソ、しぶとい!」
一人の元ハイヒューマンの眷属が剣を振るうが、影小鬼の鋭い爪が彼女の剣を弾く。
「くっ…!」
後方に下がろうとした瞬間、元獣人の眷属が横から飛び込み、短剣で影小鬼の首を切り裂いた。
「大丈夫?」
「うん、ありがと!」
こうして互いにフォローしながら、次第に連携が取れてきた。
元ドワーフの眷属は積極的に味方の前に出て、メイスで重い一撃を叩き込む。
魔法組も味方に当てないように魔法を放って援護している。
新人たちは徐々に戦いの感覚を掴んでいき、最後の影小鬼が倒れる頃には、皆の顔に達成感が浮かんでいた。
後方で見守っていたベテランの眷属達が声をかける。
「かなり動きよかったわね」
「初めてでこれは上々だな」「ギギー!」
「凄かったよー!」
「あ、ありがとうございます」
「なんか、小っ恥ずかしいな」
少し照れている新人たちの方に歩いていく。
「とりあえずこんなもんで良いだろう。後は戦技や魔法での魔力の応用訓練を日常的にやることだな。まぁそれは他の人に教わってくれ」
「「「はい!」」」
「ふむ。それじゃあ…そうだな、歓迎会でもするか」
「歓迎会ですか!良いですねぇ」
ハルカが笑みを浮かべて言う。
「ああ。全員の親睦を深めるためにもな。周辺にモンスターもいないようだし」
そう言って俺はバーベキューセットをいくつか出し、数え切れない数の酒とジュース、炭、巨大猪の肉、金属蜘蛛の身、様々な調味料もアイテムボックスから出した。
「それじゃあ準備を始めようか」
「「「はい!」」」「ギギ!」
ベテラン組も慣れた様子で、すぐに準備に取り掛かる。俺も火魔法で炭に火をつけ、バーベキューの準備を進める。
巨大猪の肉は脂が乗っていて旨そうだし、金属蜘蛛の身もカニのような香ばしい匂いが漂う。
やがて、肉が焼けるいい匂いが漂い始めると、新人たちもワクワクした表情を浮かべていた。
俺は串に刺さった肉を一本手に取り、皆に向かって声を上げる。
「それじゃあ、新しく仲間になった奴らの歓迎と、皆の成長と安全を願って、乾杯!」
「「「乾杯!!」」」「ギギ!」
そうして歓迎会は始まった。最初は少し緊張していた新人眷属たちもベテラン眷属達が積極的に話しかけてくれているおかげで打ち解けていっている。
みんな酒、ジュースを飲み、肉を食らっている。悪魔とハーフデーモンはアルコールによる影響を受けづらい、まぁこういうのは雰囲気だけでも楽しめるものだ。
しばらく楽しんで、完全に日が落ちて夜になると、ハルカがレンに何かを話した。
レンが笑みを浮かべながら頷くと、ハルカがこちらにやってくる。
「ヒロキ様、少しよろしいですか?」
「ん、ここじゃダメなのか?」
「はい。少しお話が…」
そう言いながらも、ハルカからは欲情が伝わってきていた。いや、ハルカだけじゃない。
ゴブリンから助けた眷属達全員から伝わってくる。
「…わかった」
「ありがとうございます。それじゃあ、着いてきてください」
そう言ってハルカが歩き出したので着いていく。後ろからも12人が着いてきている。
映画館入口を通り過ぎ、反対側ぐらいまで歩くと1つの販売区画のシャッターが下ろされていた。
ハルカがシャッターを上げると、そこには広いブルーシートの上にワイドキングサイズのマットレスが2つ並んでいた。
中に入ると、後ろから着いてきていた眷属達も入ってきた。
そして、シャッターが下ろされる。
「ヒロキ様…ご奉仕、させてくれませんか」
そう言ってハルカを筆頭に、カレン、マナミ、マヤ、ハルナなどのゴブリンから助けた眷属達が、衣服を脱いでいった。
美しい裸体がいくつも並ぶ。
感情が伝わるまでもなく、彼女達は荒い息遣いをしながら、表情は淫欲に染まっていた。
悪魔である以前に、男である自分に断る理由はなかった。
彼女達に衣服を脱がされていく。
そうして、彼女達と淫欲に塗れた夜を過ごした。
彼女達は、使えるものを全て使い、情熱的に奉仕をした。
全員の体は、様々な液体に塗れた。
部屋に満ちる淫猥な匂い、そして声。
彼女達は終始、充実感に満たされていた。