歳「では何かあったらすぐに連絡をくれ、アイ。」
アイ「はい、お気遣いありがとうございます。Sirもお気をつけて…(不安そうに)」
(パッタン…外套を羽織り、歳が服務へと出てゆく…)
(アイと静寂が取り残される)
アイ「…はぁ…ワタシはちゃんとSirの役おに立てているのだろうか…(不安になる)」
(周りを見渡す)
アイ「…まずはお掃除と洗濯と洗い物をしなくちゃ…」
(歳のワークデスクを掃除する。歳のプライベート用タブレットが忘れられたまま起動している)
アイ「これは…」
(画面に再生途中の動画を見つけ、作業の手が止まる。)
アイ「これは藍さんの…」(悪いと思いながらも再生してしまう)
アイ「とても優しそうな声…笑顔が素敵な女性…Sirの大切な人…楽しそうなSir…ワタシは…こんなに笑うSirを知らない…」
(涙が頬を伝う)
アイ「これは…?」(頬を押さえ、自分の反応に戸惑う)
(………その時、アイは頭に鈍い痛みを覚える)
アイ「う…、やっぱり故障かしら?(徐々に強くなる痛み)うう…でも、ここで倒れる訳には…。(リビングソファに倒れるように横になる)」
アイ「痛い…頭が割れるよう…Sirに…連絡、を………(アイは意識を失ってゆく)」
(アイ「ワタシは…?…何か……聞こえる…?」)
「ザザザ……ザい…ザザ…よ……一分隊……応答せよ!一分隊!」(雑音が混じる無線機音声)
(アイ「ここは…どこ…?」)
「こちら一分隊!…送れ!」(無線機で応答)
(アイ「話してるのはワタシ?…でもこの声は…藍、さん…?」)
「ザザ…こちら二分隊!二分隊は壊滅!繰返す!二分隊は壊滅!一分隊は三分隊を援護のうえ、撤退せよ!繰り返す!一分隊は!ドン!(爆発音)…ザザザザ…(応答は無くなる)」
藍「二分隊!応答せよ!二分隊!」
(アイ「じゃあここは…藍さんの記憶?」)
藍「一分隊!集まれ!!……伝令する!当分隊は三分隊の離脱を支援!離脱確認後当分隊も撤収する!細かい判断は各自に任せる!でも全員必ず生きて戻りなさい!以上、別れ!!」
(アイ「何故ワタシがここに…でもこの匂いと音…現実感は夢では無い!?」)
(砲撃の爆音と銃弾が頭上を掠める)
藍「はぁ…、完全に嵌められたわ。ただの偵察任務では無いと思ってはいたけど…でも…ここで死ぬ訳には行かない!Sirに生きて帰ると約束したから!」(腹ばいに狙撃銃を構える)
(アイ「この場所は藍さんの記憶にある…藍さんが亡くなった戦場…」)
分隊員「青海分隊長!彼我不明の狙撃兵より攻撃を受けてます!」(
(アイ「攻撃!?危険よ!藍さん逃げて!」)
藍「了解!三分隊の離脱を確認した!あなた達も逃げて!
分隊員「了解しました!分隊長も必ず戻って来て下さい!」(匍匐状態で敬礼する)
藍「当然死ぬ気は無いわ。(分隊員に敬礼を返す)」
(アイ「ワタシの声は聞こえていない…!(困惑と焦り)」)
藍「はぁはぁ、すうっ…!(呼吸を整え照準を定める)」(静かに引き金を引く)…パシュン…!
(スコープに
(すぐに銃を胸元に抱え物陰に隠れる)
藍「はぁ…ふうっ。集結地まで2km、この子を持って走るのは骨が折れるわね。…でも大切なわたしのパートナー、置いて行く訳には行かないか」
(胸元のペンダントを握り)
藍「Sir…必ず約束は守ります!」
(意を決して物陰から飛び出し駆け出す!)
(アイ「Sirとの約束…(藍の焦りと苦しさがアイに伝わって来る)」)
(ドパパパパパッ!!!!!)
(後方より機銃の射撃音)
藍「!?ドローン!」
(藍は姿勢を低くして近くの
(アイ「ひっ!」(悲鳴のような声))
藍「…安心して。(カチャ、チャ、スーッ、ジャッ!目にも止まらぬ速さで弾を装填する)」
藍「あなたはわたしが守るわ。」
(アイ「え?」)
藍「Sirに宜しくね。(狙い澄ました徹甲弾がドローンの中心を撃ち抜く)」
アイ「藍さん!?」(飛び起きる)
アイ「(辺りを見渡して)…夢…?でも、藍さんは最後、ワタシに語りかけた…?…Sir…」
(窓の外では夕日が沈もうと水平線を染める)
アイ「もうこんな時間……」
アイ「藍さん…ワタシを…守ってくれた?」