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第七話:稲川淳二の怪談ナイトの夜1

 20年以上昔、大阪に住んでいた時代の体験。


 その年「稲川淳二の怪談ナイト」の神戸公演チケットを取るのに成功した私は、定時に会社を飛び出すと必死になって神戸会場に駆け付けて、生の稲川淳二の語りを堪能した。

 怪談はもちろん最高だったけど、心霊写真コーナーが怖くて座席で体を固くしてステージに見入っていた。


 大満足&興奮して帰宅しようとしたら、電車がどこかの駅でしばらく停車してしまったりしたけど、特に何事もなく迎えに来てくれた旦那と帰宅した。

 遅くなったので急いで風呂に入った。湯船に浸かりながら、ああ心霊写真怖かったなあ、と思い出していた時。


 突然、風呂場の電気が消えて真っ暗になった。


 停電だ!と思った私は大絶叫。慌てて旦那が飛んできてくれたけど停電では無かった。


 風呂場の電球が切れていたのである。取り外した電球は真っ黒になっていた。


 物凄い偶然の一致だろうけども、しかしよりによって「稲川淳二の怪談ナイト」に行った日の夜に起こらなくても。と私は盛大に愚痴りまくったのであった。


 けれど、もしかしたら偶然では無かったのかも、と翌年に思い知らされる事になる。

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