朝、空気が変わる瞬間がある。
鳥の囀りでも、空の明るさでもない。
それは暁時を少し過ぎて、鳥達が目覚め羽ばたく頃に、網戸の窓から入ってくる。
それは少しヒンヤリとしていて、
温かくないのに、心地良い。
気づけば少し微笑んでいる、そんな空気。
朝の空気が、右肩から、左肩へと流れてゆく。
やがてそれは鼻腔にきて、そして全身に広がってゆく。
私は肌寒く感じて、掛け布団をしっかりと直した。
まだ、全体に溶けていないのだろう。
布団の中は温かく、私はゆっくり目を閉じた。