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朝の気
朝の気
本の蝦
文芸・その他雑文・エッセイ
2025年03月28日
公開日
222字
連載中
時計を確認せずとも時間帯が分かる。
そういう感覚が人にはあると思う。

朝の気



朝、空気が変わる瞬間がある。

鳥の囀りでも、空の明るさでもない。

それは暁時を少し過ぎて、鳥達が目覚め羽ばたく頃に、網戸の窓から入ってくる。

それは少しヒンヤリとしていて、

温かくないのに、心地良い。

気づけば少し微笑んでいる、そんな空気。

朝の空気が、右肩から、左肩へと流れてゆく。

やがてそれは鼻腔にきて、そして全身に広がってゆく。

私は肌寒く感じて、掛け布団をしっかりと直した。

まだ、全体に溶けていないのだろう。

布団の中は温かく、私はゆっくり目を閉じた。

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