「で、次の目的地は?」
森を抜け、広がる大地を見渡しながらオーレリアが尋ねた。
俺たちはヘンリーとの戦いを終え、次なる仲間の手がかりを求めて移動している。
「魔法都市リュミエールだ」
「ふぅん、エレン=クルガー……天才魔法使いのことね」
オーレリアは興味深げに俺を見る。
エレン=クルガー——俺がエタクロで育てた魔法使いキャラの一人。
彼は天才肌の魔法研究者であり、戦場では圧倒的な魔法火力で敵を焼き尽くす存在だった。
もしこの世界にもエレンがいるなら、魔法都市リュミエールにいる可能性が高い。
「エレンは慎重な性格だからな。すぐに仲間になってくれるとは思えないが……」
「ふふっ、それもまた楽しみね」
オーレリアは笑いながら、月を見上げた。
俺たちは夜の大地を進み、ついに魔法都市リュミエールへと足を踏み入れた。
リュミエールは、魔法によって発展した大都市だった。
街の至るところに浮遊する魔導灯が輝き、魔法陣が刻まれた建物が立ち並ぶ。
「ほう……なかなか美しい街ね」
オーレリアが感心したように呟く。
「まずはエレンの情報を集めるか」
俺たちは街の中心にある魔導学院へ向かった。
エレンがいるとしたら、間違いなくここだろう。
魔導学院の門をくぐると、白髪の少年が待っていた。
「やぁ、随分と遅かったじゃないか」
整った顔立ち、知的な眼差し。
そして、彼の肩にかかる長いローブ——
「……エレン=クルガー」
「ふふっ、やはり君か、オルバ。いや、今はトーリだったかな?」
エレンは余裕の笑みを浮かべながら、俺たちを見つめた。
「お前、俺のことを知ってるのか?」
「当然さ。僕は魔法によってこの世界の情報を集めているからね」
エレンは軽く指を動かし、宙に魔法陣を描いた。
「さて、君が本物かどうか……確かめさせてもらおうか」
そう言うと、彼の周囲に炎の槍が無数に出現した。
「くっ……!」
「フフ……楽しくなってきたわね」
俺とオーレリアは戦闘態勢を取る。
——これは、エレンの試練だ。
エレンの魔法攻撃が俺たちに降り注ぐ。
「《炎槍連弾》!」
ドォォォン!!!
無数の炎の槍が地面に突き刺さり、爆発を起こす。
「ぐっ……!」
俺は大剣で防ぎながら、オーレリアの方を確認する。
「ふふっ、なかなかやるじゃない」
彼女は炎を避けながら、優雅に微笑んでいた。
「オーレリア、俺が前衛をやる! お前は後ろからサポートしてくれ!」
「ええ、任せなさい」
俺は剣を構え、エレンへと突進する。
ズバァッ!
斬撃がエレンを捉えた——と思ったが、彼の姿が掻き消えた。
「……幻影か!」
「さすがだね。じゃあ、これはどうかな?」
次の瞬間、俺の足元に魔法陣が展開される。
「これは……!」
「《重力結界》」
ズゥゥゥン!!
体が重くなり、動きが鈍る。
(やばい、このままじゃ——)
「甘いわね」
バシュッ!
オーレリアの赤黒い魔力が俺の足元に広がり、重力を打ち消した。
「オーレリア……!」
「今よ、トーリ!」
「おう!!」
俺は剣を振りかざし、エレンへと飛び込む。
「……フッ、素晴らしい」
次の瞬間——エレンの魔法陣が消えた。
「合格だよ、オルバ」
エレンは満足そうに微笑んだ。
「……試してたのか?」
「当然さ。君が本当に《轟雷のオルバ》なのか、確かめる必要があったからね」
エレンは腕を組みながら、俺の目をじっと見つめる。
「僕も君と一緒に行くよ。どうせ、この世界にはまだまだ興味深いことが多いからね」
「……ふん、おもしろくなってきたじゃない」
オーレリアが不敵な笑みを浮かべる。
こうして——
俺の旅に、新たな仲間が加わった。
――――――――――
次回予告
エレンを仲間に迎えたトーリ(オルバ)。
しかし、次なる目的地で待っていたのは、ハイエルフの王女ギャベル!?
次回、「エルフの王国へ! ギャベル=ロルド=オルベリアの決断」