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ネトゲキャラに自由自在に変身して異世界で楽しく冒険する〜人類、亜人、魔族の救世主みたいになってるけど楽しく過ごします〜
ネトゲキャラに自由自在に変身して異世界で楽しく冒険する〜人類、亜人、魔族の救世主みたいになってるけど楽しく過ごします〜
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異世界ファンタジー冒険・バトル
2025年03月28日
公開日
1.2万字
連載中
固有能力〈キャラ変身〉で今まで使っていたネトゲのオリキャラに変身できる主人公トーリは培ってきたネトゲのキャラで冒険者として名を轟かせるそんな物語

登場する主人公と変身キャラ

主人公:トーリ=オニギス

〈変身キャラクター〉
剣士:オルバ=レグルス

〈登場するオリキャラ〉
魔法使い:エレン=クルガー
仮面使い:ヘンリー=メルゼット
ハイエルフ:ギャベル=ロルド=オルベリア
魔族【吸血鬼】:オーレリア=エヴァンロード

第一話:目覚めたら異世界でした


 目が覚めた瞬間、俺は見知らぬ森の中に立っていた。

 いや、正確には「立たされていた」。


「……ん? なんだここ?」


 見渡す限りの緑、鮮やかすぎる草木、風に揺れる木々のざわめき。すべてがやけにリアルで、ゲームの中とは思えないほどの臨場感だった。


「まさか、異世界転生……ってやつ?」


 そんな馬鹿な。俺はただ、いつものようにネトゲをプレイしていただけのはず。


「エターナル・クロニクル」——通称エタクロは、自由度の高いファンタジーMMORPGで、俺はそこで複数のオリキャラを育成していた。


「……ま、まさか。いや、そんなわけないよな?」


 しかし、そんな考えを打ち砕くように、俺の視界の端にシステムウィンドウが現れた。


 ──《固有能力:キャラ変身》が発動しました──


「……嘘だろ?」


 驚く俺の前に、懐かしいキャラクター選択画面が浮かび上がった。

 そこには俺が育て上げた最凶の5人——オルバ、エレン、ヘンリー、ギャベル、オーレリアの名前が並んでいる。


「……試してみるしかねぇよな」


 俺は躊躇いながらも、最も扱い慣れたキャラクター、剣士オルバ=レグルスを選択した。


──《キャラ変身:オルバ=レグルス》──


 次の瞬間、俺の体は眩い光に包まれた。

 気づけば、身に纏っていた普段着は重厚なプレートアーマーに変わり、腰には大剣が収まっている。

 鏡はないが、感覚的に分かる——俺の姿はオルバそのものになっていた。


「マジかよ……!」


 剣を軽く振るうと、空気を裂く鋭い音が響く。強さもスピードもゲームで操作していた頃のままだ。


「これは……面白くなってきたな」


 こうなったら、思いっきり楽しむしかない。


 そう決めた矢先——


「キャアアアアア!!」


 突如、森の奥から悲鳴が響いた。


「……早速イベント発生かよ」


 俺は迷うことなく、大剣を携えて声のした方向へ駆け出した。



 叫び声の主は、若い女性だった。

 彼女はボロボロの服を纏い、巨大な狼のような魔物に追い詰められていた。


「クソッ、もうダメ……!」


 魔物が今にも飛びかかろうとした瞬間——


「間に合ったな!」


 俺は猛スピードで駆け寄り、大剣を振り下ろした。


 ズバァン!!


 一撃。

 それだけで、魔物は真っ二つになった。


「え……?」


 女性が目を見開いて俺を見つめる。

 魔物の断末魔も響かぬまま、大地に沈んでいった。


「大丈夫か?」


 俺は剣を収めながら、彼女に手を差し伸べた。


「す、すごい……あなた、一体……?」

「通りすがりの冒険者だよ」


 格好つけてそう言うが、実際は俺も異世界に来たばかり。

 でも、これくらいなら問題ない。


「とりあえず、安全な場所まで行こうか」


 彼女は戸惑いながらも、俺の手を取った。

 森を抜けると、小さな村が見えてきた。


「あなた、村まで送ってくれるの?」

「まぁな。せっかくの異世界だし、色々見て回りたいしな」


 俺はまだこの世界のことを何も知らない。

 けど、《キャラ変身》を使えば、どんな状況でも対応できるはずだ。


「よし、しばらくはこの世界を楽しむとするか!」


 ——こうして、俺の異世界冒険譚が幕を開けた。

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