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第5話 『努力!努力!努力!』

その日からニグラスの努力の日々が始まった。

自分の部屋には『努力!』・『勝利』・『ハーレム!』という文字を書いた紙を貼り付けて自分に発破を掛ける。

フェンは率先して協力したいと言ってきてくれたのでお願いする事にした。

貴族社会の勉強やこの世界の知識を改めて学ぶために参考書や書類を読み漁り暗記を取り組んだ。


この世界の物語舞台は学園もそうだが後半は学園から離れる事が多い。

だから、この世界の知識を学ぶ事は決して無駄な事ではない。


食事や生活面では、カトリーナが指導してくれる事になった。

曰く、「貴方が変わろうと努力するなら私もまた貴方に協力したいのです」だそうだ。

なんてカッコいい女性なのか、本当に申し訳ない。


剣術の指導には約束通り、スパルダ・カームブルが先生としてシュブーリナ邸にやって来ました。

とてとえっちな格好をしていたので目のやり場に困る…なんて事を考えていると、スパルダ師匠が木剣をニグラスに手渡してきた。


「おい。まずは剣を振ってみろ」


突然、そんなことを言われた。

いきなりの事で混乱しながらも、ニグラスは木剣を握り締めて思いっきり振りかぶる。

チラッと横目でスパルダ師匠を確認すると、ゴミを見るような目で此方をみていた。


「…それは、ふざけているのか?」

「いや、真面目です」

「其処からか…カトリーナからある程度は剣術の基礎を教えたと言っていたが…これは酷いな…」


そう言って頭を抱える。

なんかごめんなさい…本当に剣術に関してはど素人なんです。


「いいか、まず剣先は真っ直ぐに」


スパルダが木剣を握り構えを取る。

ただそれだけの動作なのに、美しさを感じた。

様になっている、そんな言葉がしっくり来た。


「足は右足が前だ。左足のつま先は左足のかかとの位置に置け。両足の距離はこぶし一個分くらい開けるんだ。この時に足がガニ股にならないように注意しろ」


ニグラスも彼女の動きを見習って同じように構えをとる。

右足が前…左足のつま先は踵の位置、ね。


「木剣を握った左のこぶしが自分のへその前に来れば良し、そして少し右肩が前に出るようにして半身にかまえろ」

「はい」

「足がガニ股だと剣を振う時に力が真っ直ぐ進行方向に向かえないからな。剣先な常に相手の喉元に向けろ。そして後は簡単だ、一気に剣を振り下ろす」


空気を切る音。

風圧がニグラスの髪を揺らす。

美しい一連の動作に見惚れてしまう。


「とまぁ、コレが基本的な素振りのやり方だ。今からこの素振りを一万回やってもらう」

「は、…ん?」

「聞こえなかったか?今の素振りを毎日、一万回それを5本やってもらうぞ」


ん?

理解が追いつかない…一万回?

今のを5本も?合計五万回?


「ぐだぐだしてないでさっさとやれ!途中で素振りを止めたら木剣で気合いを入れてやるからな」

「ヒッ!?わ、分かりました!」

「あぁ、あと一万回の素振りを終える毎に基礎体力もつけてもらう。腹筋一万回、背筋一万回、腕立て伏せ一万回、走り込みを同じように5本」

「お、鬼だ…」

「今、何か言ったか?」

「いえ、言ってません」


一瞬、脳内に自分が殺されるイメージが浮かんできた…彼女に鬼は禁句らしい。

とまぁ、そんなこんなで地獄の鍛錬が始まった。


剣術に関しては、基礎的な型の指導や素振りを集中して取り組む。

基礎体力も剣術に於いて必須級の力という事で一切の甘えは許されない。

鍛錬が始まって1日目は本当に地獄だった。


素振り一万回、その辛さは想像を絶する体験で終わった頃には立ち上がることすらできなかった。

が、スパルダ先生はそんなニグラスを見ても手を抜く事はしなかった。


「さぁ立て。次は腕立て伏せから走り込みまでだ」

「少し休憩をーー」

「自分を変えるんじゃなかったのか?」


そうだ…弱い自分を変えると誓った。

こんな所で諦めちゃいられない!

ニグラスは立ち上がり、腕立て伏せを開始する。


そんな地獄の日々から数日が経った。


「9999…10000!」


剣の素振り一万回5本のノルマを達成して一息つく。

当初は無理だ無理だと言っていたが、なんとか数日続けられている。


「お疲れ様ですわご主人様」


側でニグラスの鍛錬の様子を眺めていたフェンが疲れ果て地面で倒れている主人に膝枕をして汗をタオルで拭き取る。


「ありがとう」

「気にしないで下さいまし。これもメイドの役割ですの」


うん、やっぱり。

ニグラスが此処まで頑張っていられる理由としてフェンの存在が大きいのは確かだ。

常にニグラスの側に居て、献身的に主人を支えてくれる。


カトリーナや他のメイドや執事達もニグラスを食事面や生活面で支えてくれている。

健康的な献立。

体力が付くような食事を用意してくれている。

カトリーナには元々やっていた騎士に復帰しても良いのだと提案したが、彼女はこの職が気に入っているようでまだ暫くは続けたいと。


いやー、ありがたい。

周りの存在に支えて貰えていなければ、此処までやれなかった。

スパルダ先生が絶望的な程の地獄の閻魔なら、フェン達天界の女神って感じだ。

アンバランスに見えて、いいバランスが取れている。


勿論、成果は身に染みて実感している。

この頃から、本格的にスパルダ師匠と木剣で軽い打ち合いも始めた。

と言っても一方的にボコボコにされているだけであるが。

これも大事な経験だと言うので信じてる。

数日間、鍛錬を続けてからステータスやレベルが上がっているのだ。


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ニグラス・シュブーリナ (11)

レベル:3

種族:ーー

耐久:F(5)→E(151)

筋力:F(5)→E(160)

敏捷:F(5)→D(220)

魔力:F(5)

固有スキル:淫乱、努力LV 1、剣術LV 1(初級)

魔法:該当なし


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体力、筋力、敏捷の数値がかなり伸びている。

魔力に関しては、スパルダ先生は専門外なので教えてもらっていない。

まだまだ努力したりない。

最強になるにはもっと努力してやる!


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