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俺は悪役貴族ニグラス! 〜転生知識で最強に!力も、そして女も…くぁwせdrftgyふじこ!!?〜
俺は悪役貴族ニグラス! 〜転生知識で最強に!力も、そして女も…くぁwせdrftgyふじこ!!?〜
プンプン丸
異世界ファンタジー冒険・バトル
2025年03月22日
公開日
3.3万字
連載中
【スター・ウォーリアー】。
それは、いっせいを風靡した大人気学園ファンタジーRPGである。
舞台の基盤は貴族が大半を占めるダーレス勇王学園。
主人公オリオンは入学試験で起きたある出来事をキッカケに"星の勇者"として覚醒し、ヒロインなどの最高の仲間達と出会い攻略しながら恐ろしい邪神とその軍勢の脅威を討ち倒す王道のゲームシナリオとなっている。

そんな大人気ゲームには唯一多くのプレイヤーから嫌われているキャラクターが居る。
ヒロイン達やメイドに酷いセクハラや体罰を加え、入学試験では平民である主人公を酷く罵り、家の権力を振り翳す最低最悪の屑野郎。
そして最期は、チュートリアルの邪神軍襲撃編にて戦禍に巻き込まれて呆気なく死んでしまう。
その名はニグラス・シュブーリナ。

ひょんなことからある日、奏多はそのニグラス・シュブーリナに転生している事に気付く。
「断じて認めん」
俺は知っているーー最強への近道を!
俺だけが持っている原作知識を駆使し、最強のチートキャラ達を侍らせ!
「そう!ハーレムライ、あっ!いや、ちょーーくぁwせdrftgyふじこ!!?」 

第1話 【スター・ウォーリアーズ】

2100年。


世界中のプレイヤーから絶大な人気を集めた学園王道ファンタジーRPG。

インセンベルク勇王国や様々な国から貴族や王族が集まるダーレス学園に入学する主人公が入学試験である貴族と対峙した際に星の勇者としての資格を手に入れて覚醒する所から物語が動き出す。


星の勇者として覚醒した主人公はその圧倒的な力で貴族を撃ち倒し学園に入学する。

主人公配属されたクラスには勇王国の第二王女や神聖国の聖女といった錚々たるヒロイン達の姿があった。

"勇者"と呼ばれる存在に興味を持ったヒロイン達と次第に距離を詰めていきながら復活した邪神とその軍勢を共に討ち滅ぼす。

というのが【スター・ウォーリアーズ】の大筋のストーリである。


ありきたりなストーリーやゲームスタイルでありながらキャラクターのデザインやキャラに魅力を感じ、ストーリーの作り込みに感動したファン達から愛されてその人気は日本だけでなく世界中に広まった。

追加ダウンロードコンテンツや高難易度など幅広い要素が追加されたことによって更に人気が爆増した。


そんな【スター・ウォーリアーズ】には唯一、作品を愛するファンから嫌われているキャラクターが存在する。

初登場は作品の序盤。

主人公が初めて貴族学園ダーレスにやってきた際に遭遇する。

名前はニグラス・シュブリーナ。

一見するとただの美青年貴族だが、その本性はクズを超えたカス。


悪逆非道。

そんな言葉がよく似合う典型的な悪役キャラクターで、女をモノのように扱い屋敷のメイドは手当たり次第手を出し暴力を振るう。

街中で目が合った人間を斬り捨て、罵倒する。

傲慢で強欲。

最初から最後までその本性が変わる事なく、主人公の事も酷く罵り侮辱し殺そうとした。


しかし、勇者に覚醒した主人公によって返り討ちに遭い顔の原型が分からなくなる程にボコボコにされる。

挙げ句の果てに、最期は邪神の軍勢と勇王国軍の戦争中にその戦禍に巻き込まれていつの間にか死んでしまう。


そんな訳でファンからは酷く毛嫌いされファンの間で開催される人気投票では毎年最下位、いやそもそもその存在すら消される。

あまりの嫌われっぷりから流石に可哀想という声が…出ないほどに嫌われている。


【スター・ウォーリアーズ】公式ホームページや制作会社にもファンからの非難が殺到し一時的にクラッシュする事件も起きたほどだ。

それでも公式は何故か、ニグラス・シュブーリナを原作から消そうとはしなかった。


ファンの間では、もしかするとニグラスには何かあるのでは?と考察しゲーム内を周回するが結局、何処まで行っても救いようのないカスということしか分からなかった。


ーー


彼ーー天城奏多もまたニグラスというキャラクターを毛嫌いしていた一人である。

初期から【スター・ウォーリアーズ】をプレイしていた古参でもある奏多。

このゲーム内で奏多はかなり有名な人物だった。


誰一人としてクリアできなかった超高難易度"厄災級"を初めて完全攻略した唯一の人物でもある。

有名ではあっても人気とは違う。


奏多は攻略した厄災級の情報を一切、ネットに公表する事は無かった。

その所為でユーザー名カナキング(奏多)はネット上などで酷く叩かれた。

だが奏多は全くその情報に興味はなく毎日毎日、【スター・ウォーリアーズ】のプレイに勤しんでいた。


「うーん、やっぱりニグラスはどうしても救えないクソ野郎なのかー…」


PCの画面に映された醜い姿で倒れているキャラクター・ニグラスを見て奏多は呟く。

当然、分かっていた事だが一ヶ月前に厄災級をクリアした時もニグラスは全ての難易度でプレイした時と同じような結果に終わる。

毎回、主人公とニグラスが会合する場面から始まる。


それぞれのヒロインやサブキャラクター達には過去の話や専用のストーリーが後々、追加ダウンロードコンテンツにて販売されていた。

だが、このニグラスだけは唯一何一つとしてその過去も何もかもが露わになる事はない。


分かっているのは、公爵家の長男。

歪んだ性格や性癖。

凡人以下の剣才と魔法適正。

惨めな最期。

救いようのないクソ野郎、奏多もニグラスは嫌いである。


ここまで来ると逆に気になるのだ、公式はなぜここまでニグラスだけ救わないのか。

ニグラスが死亡した後に流れるゲーム内のセリフにこんな一文がある。


ーーニグラスの命は、には救えない。


その一文に奏多はずっと違和感を憶えている。


ニグラスの命はニグラス自身では救えない?

一体、どういう意味なのだろうか。

公式が残した何らかのメッセージなら頷ける。


「ま、結局はニグラスは救いようのない存在って事だろうな」


ゲーム画面を見ながら奏多はそう呟いた。


「流石に寝るか」


時計を確認する。

時刻は3:00分。

もう深夜だ。

ベッドに移動する時間も面倒なので机に突っ伏して寝る事に…

そこで気付く。


消したはずのゲーム画面が表示されていた。


「は?なんだ、これ」


それは、【スター・ウォーリアーズ】では見飽きた程のスタート画面。


ーー新たな物語を始めますか?


新たな物語…?

公式からそんな情報は…

奏多は慌てて【スター・ウォーリアーズ】の公式サイトを確認する。

が、やはり新しいアップデートの情報はなかった。

なら、バグか?

それとも俺だけの特典、とか?


「はっ、な訳ないか…」


もしかして、ゲーム内のルートでは出来なかったハーレムルートとか?

有り得そうだ。

まぁとにかく、ゲーム好きとしてスター・ウォーリアーズファンとしてはやらないという選択肢はない。


ーーこの物語は一度始めると後戻りは出来ません


「む、マジか。コンテニュー出来ないって事か、一度死んだら終わりなのかな?災厄級と同じだな」


上等。

躊躇いなく次に進む。


ーー今の運命に未練はありませんか?


「ん?」


なんだ、この文…

今の運命に未練…変な質問だな。

ゲームと関係ないだろ。

ええい、次!


ーーそれでは新たな物語を始めます


「なんだ!?」


画面が大きく光り始めた。

瞬く間に奏多の身体を包み込む。

意識を失う。


ーー新たな物語が開始されました。


ーー推定難易度不明。


ーー天城奏多の魂を転送中ーー承認。


ーーこれより、転生を開始します。






ーー


ふと、目が醒める。


「ひっぐ…んっ、うぅ…あっ」


耳に響く、泣き声と嬌声。

ギシギシと軋むベッドの音。



なんだ、何が起きてる?


下半身が燃えるように熱い。

身体の至る所が心地いい感触に覆われている。

複数の山々が俺の顔を埋めている…複数の桃がぷかぷかと浮いている。


「おら、もっと、もっと動け、死にたくなければなぁ!ーーーーって、ん?」


薄れていた意識がようやく覚醒する。

は?

ん?

え?

何…この状況…ぁ"


訳もわからない。

が、今はとにかくこの抑えきれない快楽に身を委ねようと思うのであった。

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