女の子だけど狼みたいなヒゲが生えていてチャーミング。
お。
爪も人間じゃなくて狼っぽいな。
肉球っぽいところもあるし、ぷにぷにすると気持ちいいぞ。
ぷにぷにぷに。
うむ、気持ちいい。
さて。
このファモー、俺に首を絞められて気絶している。
狼みたいなケモ耳、ふさふさのしっぽ。
モフモフか。
これがモフモフというやつか?
モフモフと一緒にスローライフとかいうのはこういう獣人少女と一緒に過ごすことを言ったりするのかな?
ま、残念だったな、俺の人生にスローというものは存在しない。
俺はペンチでファモーの爪をつまむとクイッ! と無造作にひねった。
バキブチッ!
爪の割れる音、肉がちぎれる音。
「ギニャアアアアアアアアアアァァァァ~~~~~!!!!!」
失神していたくせに、あまりに痛かったのか目を醒まし、暴れ始めるファモー。
すげえ声だな、耳をつんざくようなとんでもない悲鳴だ。
俺は無視してさらにペンチをひねると、肉ごと爪がブチブチととれた。
「ギニャ、ギャフ、ギャフ、ギャギャギャーーーーー!!!」
うん、モンスターが痛みで絶叫するのを聞くのは気持ちがいいなあ。
うっとりしちゃう。
さてもう一本……。
と、そこでついに魔族少将アルティーナの心がぽっきりと折れちゃったみたいで、
「こうさーーーん! こうさーーーーーん! こうさーーーーーーーーーーーーーーーーん!!!!!!!! こ、う、さーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! ふぇぇぇ~~~~ん、降伏します~~~~! 我は殺していいから、部下は助けてやってくれ~~~!」
その言葉やよし。
部下の苦痛に耐えられなくなっちゃうタイプか、こいつは人質をとれば信用できるやつだな。
「うむ、ではいまからこの城は俺のものだ。アルティーナ、お前を俺の副官にしてやろう」
俺はアルティーナの拘束を解く。
アルティーナはその場でわんわんと泣き出している。
うむうむ、どこまでもこどもっぽいが、人望があるみたいだからな。人望があるってだけでリーダーとしては優秀なんだよなー。
なぜか俺は人望がなかった。
みんな俺に懐いてくれればよかったんだが、パーティメンバーにすら「なんか怖い」ってさけられてたからなー。
好かれるってのは才能だからなー。
俺ってばなぜか嫌われるんだよなー。
なんでだろ? よくわからん。
ある意味この魔族の少女がうらやましいよ。
ま、よく魔族を統率してくれよな。さて、魔族はこれでいいが、次は人間たちだな。
俺はカルアとリチェラッテに向かって言う。
「じゃあ、今度は村に案内してくれ。おっと、アルティーナの乳姉妹のファモーは人質として俺と一緒にきてもらうけどな。俺は人間だから本拠地は人間の村に置きたい。モンスターどものメシはあんまりうまくないし」
「ひぃっっ! あ、あなた、私たちの村にくるの……?」
すごくいやそうな顔をするカルア、本当に失礼なやつだなー、こいつ。
「やったやった、えへへー、あたしたちが無事に帰ってきたら、村のやつらびっくりするぞー。ねーねー、カズヤ、人間の中ではあたしとカルアをカズヤの一番目の部下にしてよ!」
「ん? 別にいいけど。カルアもか?」
「うん! えへへへー。くじ引きとかいってるけど、あれ、仕組まれてたのあたし知ってたんだよねー」
「はあ? はあ? はあ? そうなの? え、うそ、そうなの?」
びっくりした顔をするカルア、リチェラッテはなんともいえない顔をして、
「かわいそうで言えなかったけどさー、あたしもカルアも貧乏人の家の生まれだからさー、インチキくじで魔族に差し出されたんだよ。ね、ね、ね、『わからせて』やってほしいんだよねー!」
ふーん。
そういう仲間外れとか、俺嫌いだなー。
パーティ内でなんか俺も距離置かれてたしなー。だからすごくそういうの、嫌い。
んじゃ、いっちょやってやるですか。