ルルー達がグラッスの王宮で同盟交渉をしている間、町に残ったギン達がどうするかを話している。
「とりあえず俺は書物店に行きたい。読めない文字もあると思うからエイムに着いてきてもらおうと思うが、いいか?」
「はい、私でよろしければ」
「助かる、ブライアンとジエイはどうする?」
ギンの問いにブライアン、ジエイがそれぞれ返事を返す。
「俺は大楯を新調したいな。こいつとも長い付き合いだがもうボロボロだし、名残惜しいが仕方ねえな」
「私は国内に帝国軍の残存戦力がいないか調べて来ます。指揮官が負傷しているなら戦力を動かすことはできないでしょうが念のために」
ブライアンとジエイの返答を聞いて、ギンが2人に言葉をかける。
「そうか、じゃあ2人とも気をつけてくれ」
「まあ、俺は町中にいるけどな」
「承知」
こうして4人は3組に分かれて行動を開始した。
ギンとエイムは書物店に向けて徒歩で向かっていた。その道中、エイムがギンに尋ねている。
「そういえば、どうして書物店なんですか?」
「あのカイスとかいう指揮官との戦いで思ったが、俺ももう少し何かしらの魔法を身につけておいた方が良いと思ったんだ。魔法剣もより強力になるかも知れないしな」
「だから、書物店で魔導書を買われようと思ったんですね」
「そうだ、お前の魔法はすごいがいつもあてにするわけにはいかないからな」
ギンの言葉を聞いて、恥ずかしかったのか思わず謙遜の言葉をエイムは言う。
「あ、いえ、そんな。私はギンさんのほうがすごいと思います。いつもご自分から前面にでて戦ってらっしゃるし、私や皆さんに的確なご指示も下さるし、ギンさんが色々気付いてくれなかったら私なんてなにもできなかったですよ」
「エイム、だけどお前がいなければどうにもならなかったこともあったんだ。俺達は今、誰もが欠かせない存在なんだ」
「ギンさん、そう言っていただけるとうれしいです」
「俺が少しでも新しい魔法を使えたら、エイムはその分他の事に魔力をまわせるからな。後。あんな無茶をせずとも勝てるようにするためにな」
ギンはエイムに言われたことを気にしていたのか、わざわざ自分が無茶をしなくとも勝てるようにするために魔法を身につけることをエイムに告げる。
「あれはさすがに私も驚きました。でもギンさんがちゃんと反省してくれているなら良かったです」
そう言っている間に書物店に着き入店する。
入店すると老婆らしき女性に声をかけられる。
「いらっしゃいませ、どういった本をお探しでしょうか?」
老婆に声をかけられたギンはエイムに話を振る。
「エイム、俺の魔力でも比較的習得しやすそうな魔法が載っている本は分かるか?」
「そうですね、ギンさんは火の魔法がお得意ようですし、これなんていかがでしょうか」
そう言ってエイムはギンに書物を渡してギンが中身を確認する。
「うっ、全く読めん」
「私が教えますから、これが良いと思いますよ」
「そうだな、分かった」
エイムの言葉を受け、購入を決意するギン。今後、ギンの魔法はどのように進化するのか?