ヨナの村までたどり着いたギン達であったがヨナが頑なにギン達の話を聞かない態度を貫く中、エイムがヨナとの話を希望する。
「まさかあんたまで説教するってのかい」
「いえ、私が聞きたいのはヨナさん自身のことです」
「あたしのこと?」
「はい、ヨナさんは帝国と戦うのは嫌なんですか?」
エイムの質問にあきれながらヨナが返事を返す。
「なにとぼけた質問してんのさ、あんな奴らと戦いたいわけないだろ」
「でも、先程ジエイさん……、あの人から聞きました、砦を守るために懸命に戦ったと」
「そりゃあ、自分達の命がかかったら戦うしかないじゃん。あんたはおとなしく殺されるのかい?」
「私だってただ殺されるのは嫌だから戦います」
エイムの返答を聞いてヨナは更に言葉を続ける。
「結局みんなそうじゃないか、領主様は戦いが起こる前に手を打ちたかったのに、グラッスが同盟を結ぶ方向に話が進んだから帝国が先に攻めてきて戦うはめになっただけじゃん」
「でもお逃げにならなかったですよね?」
エイムの話にヨナをはじめ、ギン達も思わずはっ!とした。
「……、あたしらは一応この国出身なんだ。国の上に立つ奴らは気に入らないけど、ここの人達は守りたい。でも所詮あたしらはただの傭兵でしかない」
エイムとヨナが話している中、ギンが口を挟む。
「ヨナと言ったな、今の話でお前が複雑な思いを抱えているのは分かった。だが俺達の思いも聞いて欲しい」
「あんたらの思い?」
「俺達は生まれた国や立場は違う。だがそれでも1つだけ同じ思いを抱いている」
「それは何だい?」
ヨナの質問にギンは少しだけ力をこめて話す。
「1日でも早く戦争を終わらせたい。俺達の方法が正しいかどうかは分からないが、そう信じるしかないんだ」
ギンの力強い言葉にヨナが反応をする。
「戦争を終わらせたいか、随分大きく出たねあんた」
「信じられないか?」
「簡単にはね、でもあたしもあんたみたいに強い思いをもって生きていければとは思ったよ」
「俺が強いわけではない。同じ思いを持つ者達がいるからそれが強さにつながるんだと思う」
ギンの言葉を聞いてヨナは謝罪した。
「そうかい、あとさっきの金を取ろうとしたことは謝るよ。悪かったな」
ヨナの謝罪の言葉を聞いてギンはルルーに確認をした。
「どうするルルー?」
「ま、私達に彼女達をどうするっていう権限はないし」
「そうか、じゃあ俺から提案があるんだが」
ギンがルルーに対して何を提案するのか?