ジエイから聞いたヨナの発した言葉から、ギンはヨナ達は独断で通行料を巻き上げていたのではなくトッポックス領主の依頼によるものと考え、一同に意見を述べる。
ギンの意見を耳にしたブライアンはギンに疑問を投げかける。
「ちょっと待てよギン、奴らが今、金がないからって奴らの独断じゃないって決めるのは少し早くないか?」
「もちろんだ、だから結局領主に確認をとるしかないが、『はい、そうです』と言うとは思えないし、それに……」
ギンの言葉に少し間が出来た為、ブライアンが尋ねる。
「それに、何だ?」
「いざとなれば、素知らぬ顔をしてその傭兵団を切り捨て、奴らに全ての罪を擦り付ける恐れがあるという事だ」
ギン自身は領主に確認をとってもいざとなればヨナ達を切り捨てる恐れがあることを一同に話す。
その話を聞いたムルカが言葉を発する。
「傭兵であるギン殿ならではの意見だな。あり得ぬとは言い切れんな」
「ええ、汚れ仕事を傭兵に依頼し、都合が悪くなれば依頼人が素知らぬ顔で切り捨てることはあり得ます」
ギンとムルカの会話を聞いたルルーが不安を口にする。
「でも、本当にそうなら困ったわね。その領主のせいで同盟交渉が難航しそうになるわ」
ルルーの言葉を聞いて、ブライアンは疑問を口にする。
「でもよう、本当にそうならなんでその領主はわざわざ同盟をおじゃんにするようなことを傭兵にさせたんだ?」
ブライアンの話を聞いてジエイが思い出した言葉を告げる。
「皆さん、今思い出したのですが、トッポックス領主はグラッス国内で反帝国同盟反対派であるという話を耳にしていました」
ジエイの思わぬ発言に一同が驚愕する。
「ジエイ殿、それはまことか?」
「ええ、ですが結局は他の地方の領主たちに賛成派が多く、反対を押し切られた形になりましたが」
ジエイの話を聞いて、ギンが自分の考えを話す。
「このままではらちが明かない、その傭兵団に話を聞こう」
ギンのこの発言を聞いて、ルルーが承諾する。
「そうね、同盟をしっかりと結ぶためにもこの部分ははっきりさせておいた方がいいからね。でもどうやって探すの」
ルルーの疑問を受けギンがジエイに尋ねる。
「ジエイ、そのまま分かれたと言っていたが砦からどの方向にいったかだけでも分からないか?」
「たしか西のほうかと」
ジエイの言葉を聞いたルルーは地図を取り出し。砦から西にありそうな町か村を探す。
「どうやら小さな村があるみたい。行ってみる?」
ルルーの質問にギンが答える。
「そこしか手がかりがないのなら、行こう」
こうして一同はヨナ達を探すため村へと向かうことになった。