ジエイがフィファーナに放った火がフィファーナの魔法障壁を貫通し、フィファーナに火傷を負わすことが出来た。謎の技。それを見た周りの者は不思議に思い、ルルーが最初に声を発する。
「何なのあれ?明らかにあの女は魔法障壁を張っていた、にも関わらず火で腕が燃えていたどういうことなの?」
ルルーが疑問を抱く中エイムが自らの考えを話す。
「ま、魔法ではないということでしょうか?」
「そんなことありえるの?確かに呪文の詠唱はなかったけど、何か火を起こすような物を彼が持っている様子ではなかったわ。魔法以外になにがあるというの?」
「私にもよくは分かりません、でも魔力障壁を貫通するほど強い魔力をあの火からは感じませんでした」
「そ、それは私もそう思ったけど……」
ルルーとエイムの間でも結論がでない中、部下の兵士の治癒魔法によって傷が癒えたフィファーナがジエイに対して疑問をぶつける。
「ええい!そちは今何をした?まさかそのような魔法をそちが持っていようとは」
フィファーナの疑問に静かにジエイが話す。
「これは魔法ではない、我が秘術だ」
「秘術じゃとう?」
「お前が知る必要はない、この場でお前たちを始末するからだ」
「ふん、先程は少々油断したがカラクリさえ分かればどうということはない」
そう言って再び扇を振り、風魔法をジエイに向かって放つ。
「ぐわあっ!」
ジエイの体は吹き飛び後方の木に体が衝突し悶える。
「う、うう」
フィファーナは素早くジエイに近づき、扇の刃をジエイに向ける。
「死ね」
次の瞬間、扇の刃は剣で受け止められる。
「な、何故そちがここまで⁉」
フィファーナの目の前に現れたのはギンであった。どうやら速度強化の魔法を使用したようだ。
「先程よりわずかだがお前の動きが鈍くなっている。どうやらさっきの治癒魔法では傷が治っても体力は戻らないようだな」
そう言ってギンはフィファーナの扇を剣ではじく。
「な!」
「覚悟しろ。秘術ではないが俺の技をな」
ギンは剣に火の魔法を放ちギンが持つ剣が燃えているがギンは熱そうなそぶりがない。それどころか剣が溶ける様子もない。
それを見たフィファーナはギンの特技に気付く。
「そ、そうかそちが魔法剣の使い手か。じゃがわらわの敵ではない」
そう言ってフィファーナは水の魔法をギンに放つ。水で火を消そうとしているようだ。だが次の瞬間、別の火がどこぞより放たれその火の消化に水の魔法が衝突し結果相殺された。
「な、何!」
火を放ったのはジエイであった。
障害がなくなったギンはフィファーナに切りかかる。体力が落ち、魔法を放つ間がとれないフィファーナはかわすのが精一杯だ。
そしてギンの剣が左手をわずかにかするが火が燃え移りフィファーナの左腕は燃えて悶える。
「ぐわああっ、ええいもう一度」
水の魔法で火を消化するが先程より火傷は大きくなっている。次の瞬間兵士がフィファーナに駆け寄る。
「フィファーナ様、こちらへ」
「待て、覚えておれよ貴様ら!」
そう言ってフィファーナはギン達に右手から風魔法を放つ。
ギン達がひるんだ隙にフィファーナと兵はその場から離脱する。
次の瞬間。ギンが座り込んでいるジエイに対し、手をだし、言葉かけを行う。
「ジエイ、大丈夫か?」
ギンの手を握り返しジエイが立ち上がり礼を述べる。
「かたじけない。ギン殿」
「礼を言うのは俺達の方だ。お前の秘術とやらがフィファーナを追い詰めたおかげで勝てたからな」
「ギン殿、あなたも魔法のようで魔法ではないなにかを使用しているようですが」
「これから俺達とお前の国が協力していくんだ。互いに情報を共有しよう」
戦いを経て互いが信頼を置けると感じたギン、そしてジエイ2人は互いの技のことを話すこととした。