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月の泣きごと
月の泣きごと
菊池まりな
文芸・その他雑文・エッセイ
2025年03月20日
公開日
794字
完結済
むかし、月には友達がいなくて、寂しくいつも泣いていました。

第1話

 むかしむかし、空に浮かぶ月は、とても寂しい思いをしていました。毎晩、月は地上の村々を見下ろし、家族たちが集まって笑い合う姿を羨ましく思っていました。


「わたしには友達がいない」

と月は星たちにつぶやきました。星たちは月から遠く離れていて、月の言葉を聞くことができませんでした。



 ある夜、小さな村に住む優しい心を持った女の子のキミコが、空を見上げると、月が涙を流しているように見えました。


「どうして泣いているの?」

とキミコは月に向かって問いかけました。


驚いたことに、月はキミコの声を聞き、答えました。

「わたしはとても寂しいの。みんなには家族や友達がいるけれど、わたしにはだれもいないわ」


キミコは考えました。そして言いました。

「わたしがあなたの友達になるよ。毎晩、あなたに話しかけるね」



その日から、キミコは毎晩窓辺に座り、月に向かって一日の出来事を話すようになりました。

学校での出来事、友達とのゲーム、家族との楽しい時間について話しました。


 月は徐々に明るく輝くようになり、キミコの話を聞くのを楽しみにしていました。そして、月の光は村全体を優しく照らすようになりました。


村の人々は、月の光が以前より明るく、暖かくなったことに気づきました。夜道を照らす月の光のおかげで、村人たちは安心して夜も活動できるようになりました。


やがて、村の子どもたちもキミコの真似をして、月に話しかけるようになりました。月はもう決して寂しくありませんでした。


 それから何年も経った今でも、月は地上の子どもたちの声に耳を傾け、優しく微笑みながら世界を照らしています。だから、夜空を見上げたとき、月が特別に明るく輝いているのを見たら、それはきっと誰かの優しい言葉に月が喜んでいるのかもしれませんね。


だから、今夜眠る前に、窓から月に「おやすみなさい」と言ってみてください。きっと月はあなたの言葉を聞いて、もっと明るく輝くことでしょう。


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