いつの間にかもう随分夜も更けていた。
楽しい時間なんてのはあっという間。今日が終わればもういつもの日常に戻っていく。
今目の前にいる真人も、明日からはもうその身体に触れることすら出来ないのだ。
「ね、真人」
宴もやや落ち着きつつあったため真人の隣に座ることが出来た。
「私、オーストラリアで働く」
「えっ!」
私がぽつりと放った一言を聞いて、真人は肩を跳ねさせる。
「外国語の専科取ってるから翻訳とか通訳もいいなって思ってさ」
「そんな簡単に……ていうかそれって……」
「うん、私あっちで、真人と結婚する」
胸の高鳴りも、顔の熱さも、全部お酒のせいにして、その言葉はあの時の告白なんかよりよっぽどあっさりと出てしまった。
「は……はっ!?」
真人は裏返ったヘンな声を出して口を開ける。
「……いや?」
「いやなもんか!」
すぐに彼は大きな声で否定してくれた。
「……ってか!またお前が言うのかよ……」
しかし、悔しそうにため息を吐いた。
「だって真人、私に気遣って絶対言わないでしょ?」
「そりゃあ……そうだけど」
「なに?なになに?結婚?」
周りからその声を聞きつけた人達が声をかけてくる。
「あ、お前ら寝てたくせに……!」
「てか付き合ってんの?なぁきかせろよ」
「あーっ!うっせぇ!」
解散ムードだった宴は再び盛り上がり、私は主役とともにその渦中にて質問攻めにあうのだった……。