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復讐心と優しさ
復讐心と優しさ
桃井桜花
文芸・その他雑文・エッセイ
2025年03月18日
公開日
3,770字
完結済
これは、私がまだ中学生だった頃の話。いじめを受け、復讐をしようとした自分と、人としての優しさが残った自分と葛藤しながら、生きた物語。

中学一年

 私が、中学一年の頃。


 突然、いじめが始まった。


 私自身何もしていない。手を出したことも、陰口を言ったことも無かった。ただ、普通に生活をしていただけなのに。


 でも、私は皆と違うところがあった。


 小学校に入る前から、言葉が喋れなかった。いや、「さしすせそ」や「なにぬねの」を、「しゃしすしぇそ」「なににゅねにょ」と言っていたのが原因で、特別支援学校がある小学校に入学した。


 今はもう、普通に喋れるが、その頃は全く言えなかったのを、思い出す。


 それに、パニック障害を患っていた。人見知りも極度で、学校に行くときさえも、必ず嘔吐していた。心臓がバクバクと動き、身体が動かなかった。人と接することが何よりも怖かったし、苦痛でしょうがなかった。


 それでも、年齢をとっていくと、自然とそれも消えていった。


 今も、たまに緊張する場面とかで、冷や汗を流したりはするが、大体何事も無く終わる。


 一番酷かった時期が、中学一年の頃だ。


 まず、無視から始まった。


 最初は、何ともなかったが、段々違和感を覚え始めた。


 そして、陰口が始まった。


 私が何よりも、陰口が一番嫌いだ。小学生の時もあったが、それよりも酷かったのを、昨日のように思い出す。


 辛かった思い出は、音楽の授業だった。


 私は元から歌うことが苦手+人見知りだったせいなのか、音楽の授業になると、声が全くでなくなるのだ。


 出たとしても小さな声。それを小学校で同じだった子たちが、クスクスと笑って見てきたり、中学で一緒になった子たちに、睨まれたりとするようになった。


───気持ち悪かった。


 今となっても、思い出すくらい。


 さらに、中学生といえば青春。


 クラス全員の女子が、私の好きな人を探し、奪う行為を三年間された。


 最初は、疑いもせず「好きな子いる?」と聞かれ、素直に答えた私もバカだったと思ったが、三年間それをされると、精神的につらい。


 だから、最後らへんではもう恋をしないと誓った。恋をしたとしても、奪われるだけ。


 そう思ったからだ。


 これが一年生の頃の、私の話。


 まだこの頃は、復讐心はなかったが、いじめが二年になると、エスカレードしていくにつれ、全員殺してやろうかと思った。


 これは復讐心か? それとも、殺意なのか?


 どちらにせよ、純粋すぎた私の物語は次に進む。

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