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第3話 兄ちゃんからのプレゼント①

兄が決めてくれていた仕事が終わりに近づいている。なんとか新規の仕事を決めないといけない。


決められない‥‥‥‥‥。舞い込む仕事はいっぱいあるが、どれを選択すれば1番有益なのか??何万人もの従業員の生活を支える重圧がのしかかってくる。胃が痛い。


ハァー。秘書や周りに頼れば良いと父親に言われたが‥‥‥‥どっかの会社の息子やどっかの会社社長の娘婿で‥‥‥‥本当に一橋商事の事だけを考えてるヤツはいない気がして信用できない。

ハァー兄ちゃんはこんな中‥‥‥みんなの信頼を得て人望があった‥‥‥‥すごい兄をもつとしんどいな‥‥‥。


ルルルルルルルルル

受け付けから内線がなる。


「はい。一橋です。」

「受け付けです。専務にアポなしの訪問者が‥‥‥‥お断りしたんですけど‥‥名前を言えば大丈夫だからと‥‥‥お引き取りしてくれません。」

「そうですかー。お名前は?」

「佐々木 未来様と仰っておられます。」

「えっー。‥‥‥‥‥。み‥‥‥みら」

「専務、どういたしましょう?」

「‥‥‥あっ。部屋に通して下さい、」

「承知いたしました。」

未来先輩??引き出しにしまったばっかりの写真をもう一度みる。

未来先輩が大学を卒業してから会っていない。5年ぶりの再会に胸の高鳴りを抑える事ができなかった。


コンコン。 ノックの音がする。


「どうぞ。」


「失礼します。」秘書の声が聞こえドアがひらく。


「よっ!久しぶり!」未来先輩が手を挙げながらいう。

緊張が一気にほぐれた。緊張していた自分がバカバカしくて、フッと笑ってしまった。


「久しぶりです。急にどうしたんですか?」未来先輩は秘書に目をやる。

あっ。あ〜。

「すいません。外して下さい。」っと秘書に伝える。

秘書が出て遠ざかったのを確認して‥‥‥未来先輩が近づいてくる。一歩一歩近づいてくる。


ドキッ。また、胸が高鳴るのを抑えることは出来なかった。


先輩の手がこちらに伸びてきているのがスローモーションのように見えた。



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