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結ばれない運命なら出会わなければよかったのに‥‥‥。
結ばれない運命なら出会わなければよかったのに‥‥‥。
水月 花
BL現代BL
2025年03月15日
公開日
9,992字
連載中
一橋 龍輝は一橋商事の跡継ぎ。龍輝は次男だけど長男が3年前にゲイであることを両親にカミングアウト後に家を出た。そのまま音信不通。その後から両親の跡継ぎとしての圧が乗りかかり、楽しい事が1つもないモヤの中で毎日を過ごしていた。そんな時に‥‥‥兄の先輩である佐々木 未来に出会う。未来との出会いで幾分楽しさを取り戻すが一橋商事の跡継ぎが重くのしかかる。

第1話 カミングアウト

今日で3年。


3年前の今日‥‥‥‥俺は次男から長男になった。


一橋ひとつばし 龍輝りゅうき。一橋商事の社長の次男として生まれてきて次男らしく自由に育てられたが‥‥‥‥3年前の今日‥‥‥自由がなくなった‥‥‥‥。


〜3年前の3月〜

兄の一橋 稜輝りょうきが両親と俺を実家のリヴィングに呼びだした。

俺は大学の卒業式が終わり‥‥‥謝恩会までの合間に実家に立ち寄った。


「ただいま〜。」卒業式のスーツのまま実家に立ち寄った。

「おかえりなさい。そして卒業おめでとう。」母が笑顔で迎入れてくれる。

「コレあげる!!」

 後輩にもらったお祝いの花束を母に渡す。

「まぁ!!!ありがとう。頂いたの?」

「うん。サークルの後輩にもらった。」

「フフフ。高校の時も男子の後輩に花貰ってたね。彼女はいないの??」

「いない。いない。結婚とか孫とかは兄ちゃんに期待してね。俺は結婚しないから!!」

「えぇーなんで?」

「何でも‥‥‥。自分の中でピンってこない。」

「何それ?フフフ。まぁ〜いいわ。お兄ちゃんがいるもんね。」

「そうそう。兄ちゃんがいるから〜俺はラッキー!」

「コラッ!」

「ってか何の話?兄ちゃんが会社を継ぐとかそんな話なら〜話あわんでも全員一致で賛成なのにね。」

「そうね。でも、龍ちゃんもお兄ちゃんを支えられるように4月から一橋商事で頑張ってよ!」

「はい。はい。がんばりまーす。」

「もう!まじめな話よ。お父さんがリヴィングで待ってるから行きましょう。お兄ちゃんはまだなのよね〜。」

「え〜。呼び出した本人なのに??」

「フフフ。お兄ちゃんは忙しいんですよ。」


「ただいま〜。」

「あっ。帰ってきた。おかえり。」母が兄ちゃんを迎えに玄関まで行く。

「よっ!久しぶり!」兄ちゃんが手を挙げながら言う。

「久しぶり。で!今日はなに??」

「早速やな!!」

「謝恩会に行くから時間ない。」

「そっかー。」兄ちゃんが見た事ないような真剣な顔になる。

「会社は龍輝に任せる。俺は跡取りからおりる。」


「なんだと!」父が大きな声をあげる。

「兄ちゃん!やりたい事があるのか?」

「やりたい事じゃなくて‥‥‥‥‥自分に素直に生きたい。もう限界なんだ。」

「どういう意味だ!!」父が真っ赤な顔でいう。

「父さん母さん、ごめん。俺は男性が好きで‥‥‥‥‥。これからの人生を共にしたいパートナーもいる。この事を了承してくれて俺たちに何も言わないと約束してくれるなら会社は継げるけど、そんなのムリでしょ?」

「‥‥‥‥‥‥‥‥。お前なんか出て行け。2度と俺の前にあらわれるな!!!」

「‥‥‥。わかった。一つ言わせて。母さんの育て方が違うとかじゃないから。誰も悪くないからな。」

母が声をあげて泣く。

「龍輝、母さんを頼むよ。会社は誰でも継げる。母さんだけは‥‥‥‥‥‥。」兄の目から涙が溢れる。

「兄ちゃん。俺‥‥‥‥‥‥‥。」

「すまん。お前に全部を押しつけて‥‥。すまん。」

兄は玄関の方に歩いていく。

「稜輝‥‥‥‥‥。」母が追いかける。

父と2人残されたリヴィングの空気は感じた事ない重苦しさになっていた。


父は放心状態だったが母は兄が出て行った後は‥‥‥何かを吹っ切れたようだった。


兄の後をのんびり歩けば良かった俺の人生はこの日からかわっていた。






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