そんなある日、メールが届いた。
このメールが惨劇開始の合図だった。
「VL利用者様
不正アクセスによる情報漏洩のお詫び
この度、VL利用者のID及びパスワード、その他VLに関する全ての情報が不正アクセスにより流失したことが判明いたしました。
VLとしましては全力で不正アクセスの解明に努めておりますが、VL利用者様への被害を最小限に留めるためにID及びパスワードの変更をお願い致します。
VL利用者様にはVLの管理体制の甘さのためにお手数をおかけしました事を深くお詫び申し上げます。
VL代表取締役社長 高橋研二」
ええ?
VLのすべての情報が流失!
登録男性に下着を送った事も、水着写真をアップした事もあった。
それがすべて流失したの?
真美子が私だってバレたら恥ずかしくて大学にいけない。
でも、VLの写真は綺麗に見える加工がしてあるから私だとバレないはずだよね?
VLのチャットルームに美緒、凛、葵、亜理紗、私で入室して、他の人が入れないようにロックをかけた。
美緒
「ねえ。私達、これからどうなるのかな?」
凛
「退会した方がいいかも。これからも情報もれそうだし。
きっと、登録男性もどんどん退会すると思う」
真美子
「今月分のお金、換金してもらえるよね?
お金ないと困るんだけど」
亜理紗
「お金の心配してる場合じゃないよ。
ほら、ここ。
登録男性の数、さっきから減り続けてる。
当たり前だよね。こんなサイトに登録してるなんて世間に知られたら恥ずかしいよ」
葵
「私は今すぐ退会する。
こんなサイトに登録してるの彼にバレたら殺される」
凛
「私も退会する。 ねぇ、退会しても、連絡が取れるようにLINE交換しよう?
これから、何があるのか心配で仕方がないから」
真美子
「そうね。 本当なら、LINE交換は禁止されてるけど、どうせ、運営には、今、そこまでチェックしてる余裕はないだろうし、交換しよう。
退会するのに、指名してくれた男性にメールで知らせた方がいい?」
凛
「メールしても、こんな状況だから迷惑かもしれない。 私はやめておく」
5人でLINEを交換した。
真美子
「退会するにしても、今すぐじゃなくて、ポイントを換金してからにした方がいいよ。
換金したら、次の日には入金されるはずだから」
凛
「そうだね。今すぐ換金の手続きをしなくちゃ」
残りの3人も頷き、これから、換金手続きをする事なった。
【ポイントを交換する】
をクリックした。
「ポイント交換をされるお客様へ
ポイント交換は只今、個人情報漏洩の影響で停止させて頂いております。
再開出来るまで、かなりの期間がかかると思われます。
申し訳ございませんが、しばらくお待ち頂きます様お願い申し上げます」
そんな!
まだ換金していないポイントが10万円以上残っているのに。
10万円を捨てる訳にはいかないからしばらく退会は見送ることにした。