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第4話

直輝さんはどんな人だろう。

ハンカチくらいで喜んでくれるんだから、真面目な人なんだろうな。


私がお金のためにVL彼女になったって知ったら軽蔑されるのかな。


「真美、誰かからメール?」


授業が終わった後、由美ちゃんが声をかけてきた。

少しだけ直輝さんの話をする。


「どんどん変な依頼が来るんじゃないの??

そんなアプリやめた方がいいよ」


由美ちゃんに忠告されたけど、まだお金も貯まってないから辞められない。

由美ちゃんにはあいまいな笑顔を向けて、「じゃ、今からバイトだからまたね」と言って教室を出る。


スーパーでのバイトが終わって家に帰ってから、直輝さんにメールをした。

ちなみに、女性から送るメールも検閲されるらしい。


《直輝さん。こんばんは♡

ハンカチ喜んでくれて嬉しいです。

また、依頼してね。

真美子》


すぐに直樹さんからメールが届いた。

メール交換をするだけで、どんどんポイントが増えていく。


直輝さんは、1日何通もメールをくれる。

私も暇な時はたわいもないメールを返している。


気がつくと、1時間以上メールが続く時もあった。


50円×40通

ただ、メールするだけで、1時間2.000円。


半額はVLが取っているから、直輝さんは4000円を払っていることになる。


ただのメールに1時間4.000円も払うなんて。

直輝さんは、お金持ちなのかな。

直輝さんのメールは仕事の話や趣味の話など話題が多岐に渡っていて、読んでいても楽しい。


いつの間にか直輝さんとのメールが日課になった。


『真美子、メールをしてるのは俺だけ?』


『もちろん。直輝さんだけだよ』


最初、メール交換しているのは直輝さんだけだった。


でも、その後、明さん、博さん、大地さんと、メール相手が増えてきた。


同じ時間に何人かとメールしていると、メールの返信速度が遅くなるから、他の人とメールしてるのがバレてしまう。

だから、なるべくいつも少し遅めにメールを返す様にした。


VLポイントは順調に貯まっている。

ランキング上位の登録女性とも友達になった。


美緒、凛、葵。そして以前から交流のある亜理紗。


登録男性が被っている事もあって、登録男性の情報をお互いに共有出来るメリットもある。

明さんは医者の息子。

私達5人とも指名されている。


私達が情報を交換して、みんなが指名されてるのを知っている事は、もちろん明には秘密。

澪はいつもBest5以内。


凛と葵もよくBest10位に入ってる。


亜理紗は15位くらい、そして私は30位。


彼女達に追いつきたい。

私は少しずつ露出度をあげた写真をアップするようになった。


「真美子、愛してるって言って」


「直輝さん、愛してる」


こんなメールが、昼夜問わず直輝さんから届く。

お金は欲しいけど寝不足になる日がある。


直輝さんが嫌だと思えば直輝さんの指名を外す。というボタンをクリックして、直輝さんをブラックリストに入れたら、2度と直輝さんからのメールは来る事はない。


直輝さんを拒否したいけど、お金が減るのは困る。


そして、直輝さんの事を少しは気になっている。






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