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第3話

その成果があったのか、指名は増え続けた。


「VL運営

VLの登録男性【直輝さん】から依頼があります。

リンクから、直輝さんの依頼を確認後、了承か拒否、どちらかのボタンを押して下さい。

この依頼を了承されますと、3000ポイントが紗江子様に入ります。

拒否されても、ペナルティはございませんので、安心して下さい」


というメールが届いた。

初めての依頼メール。

ドキドキしながら、リンクをクリックした。

「真美子ちゃん。直輝です。

いつも優しい声をかけてくれてありがとう。

真美子ちゃんの、使ってるグッズを何でもいいから欲しいです。

俺の宝物にするから」


正直キモい。

あなたに声なんてかけてないし。

それに私のグッズを何に使うんだろう。

えっちな事に使われる事を想像したらゾッとする。


でも、背に腹はかえられない。

一度だけ使ったハンカチに、ありがとうのメッセージを添えてVLに送った。


3日後、VLからメールがあった。

「直輝さんに、お渡し完了しました。

真美子様に3000ポイントが入りました」


3000ポイントなんて、たいした収入にならない。


もっと、たくさん依頼が来たらいいのに。


次の日、大学で由美ちゃんとランチをしていると由美ちゃんが

「真美、何か良い事があった?」と聞いてきた。


由美ちゃんは私の親友。我が家が母子家庭なことも知っている。


「ちょっとね。由美ちゃんは、お小遣い稼ぎしたい?」


「お小遣い稼ぎ? 真美、何をしてるの?」


由美ちゃんになら本当の事を言っていいかな。

由美ちゃんにVLの説明をした。


「なんか危なそうなアプリだね。

えっちな依頼をされないうちにやめた方がいいよ」


「えっちな依頼は断ればいいんだって。

飽きたら辞めるから大丈夫。

10万くらい稼いでから辞めたいんだけど」


由美ちゃんはあきれた顔をして私を見ている。


「真美は言っても聞かないから。

絶対危ない事に巻き込まれない様に気をつけてね。

男性が会いたいって言っても、会ったらダメだからね」


「わかってるって。由美ちゃんったら心配しすぎ。

それより由美ちゃんって近藤君をよく見ているよね?

もしかして近藤君が好きなの?」

私はにこりと笑って話を変える。


「近藤君優しいから、ちょっと気になってる」

由美ちゃんが恥ずかしそうに答える。

近藤君は私たちと同じ国文科の2年生。


「私は近藤君はタイプじゃないけど由美ちゃんの恋を応援するよ」


由美ちゃんは休憩時間ギリギリまで近藤君の話を楽しそうにしていた。

由美ちゃんは今どきの女子大生とは正反対。可愛いのに性格が地味。でも誰にでも優しくて実は人気がある。


「あっ、真美。時間!」


時計を見ると、12時50分。

急いでお弁当を片付けて教室に向かう。


授業が終わり家に帰ってVLをチェックすると、直輝さんからお礼のメールが届いていた。


男性はメールを送るのも有料。だから、直輝さんからのメールを受け取るだけで、100ポイントがもらえる。

内容もがVL検閲するらしい。


「真美子さん。

ハンカチありがとう。

大事にしますね。

また、依頼をさせて下さい」


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