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第6話 2周目6歳から10歳④

9歳は大きな出来事はなかった。だから、たいしたアピールはできず9歳のバレンタインも維は兄ちゃんに本命チョコを持ってきた。ついでに俺に義理チョコを持ってきた。維の好きな人が1年もかわらなかったのは初めてだ。その事については焦りがある。


10歳は半分成人式が学校行事としてある。ただ1人づつ家族への作文を読んで原稿用紙を家族に渡すだけ。1周目の半分成人式で維は緊張しすぎてトイレに行きたくなる。漏らしてはないが‥‥ちょっと騒ぎになった。

それから1週間ぐらい維は学校を休んだ。毎日、プリントを届けに行ったが‥‥おばちゃんが出てくるだけで維には会えなかった。維の支えになれない事が悲しかった。

だーかーらー!!

2周目は本番ギリギリにトイレに行かせる!!それが俺の使命です。(笑)

「光司くん。緊張するね。」

「そうか?全然しない。」

「フフッ光司くんはそうだろうね。はぁ〜緊張する。」

「ってか維、トイレに行ってこい!」

「嫌。ギリギリまで読む練習するから。」イヤイヤ。君には読む練習よりトイレが大事!!

「おしっこしたくなったら読むどころじゃなくなる!!」

「だから、したくない!」イヤイヤ。それがしたくなるのよ。お願い。トイレに行って!!

維は頑固だから正当法ではムリや。あ〜どうしよう。考えろ!考えろ俺!!あっ!さくくんに頼るのは嫌やけど仕方ない。

「さくくん!ちょっと来て。」さくくんに作戦を話す。さくくんはよくわかってないけど‥‥‥

「うん。わかった!」えっ!わかってないよな?大丈夫か?

さくくんが維に話に行った!頼むさくくん!

「維ちゃん。トイレの場所がわらない。連れて行って!お願い。」

「えっ!さくくん。毎日、トイレ行ってるでしょ!!」

「維ちゃん早く!モレル‥‥‥。」

「えっ!もうー!!仕方ないなー。早く行こう!」

「うん。せっかく来たから維ちゃんも行ってきー。僕みたいにモレそうになったら大変だよ。」

「うん。せっかく来たし行っとくよ。」

さくくん。グッジョブ!!ブラボー!!

よかった。俺の今日の使命終了!

維は緊張しながらも作文を読み上げた。よかった。

10歳のバレンタインも維の本命は兄ちゃんだった。

でも、義理の俺のチョコにも手紙が入ってた。ハートじゃなかったけど‥‥‥‥。

「いつも維を助けてくれてありがとう。」って書いてあった!!

コレは一歩前進!!ヨッシャー!この調子で頑張るぞー!!


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